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聞いて6(一年生編)


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朝練前、体育館________…。


「あれ?はなこちゃんは?」

はなこ効果が侑には絶大で、だいたい毎日やってたまに遅刻する二度寝をせんと起きた挙句、俺より先に全部終わらせよった。
アイツから「早よせえ」なんかここ数年言われたことない。

登校して、侑が着替え終わった頃に来た角名は張り切りすぎじゃない?てわろとったけど、侑は聴こえてへんかった。

「はなこて誰?」

「七志サン!昨日自己紹介しとったやろ!」

ちょっと遅れて俺が体育館行った頃には、同じ一年の奴にビシッて指差して覚えとけや!てデカイ声で突っ込んどった。
続けて俺が喧しいなて言うたらケツ蹴られた。

「昨日の今日やし気持ちは分からんでもないけど必死すぎやろ。北さんにどやされんで」

「喧しいわ」

「だいたいお前クラス一緒やろ。来んかったらそん時聞けばええやん」

「あ、せやった!ナイス治!」

…アホかこいつは。
そう思いつつ俺も探しとったんは言うたら面倒やさかい、絶対言わん。

『おはようございます』

そん時やった。
侑と、その次に俺が来ると期待しとった人物が体育館に入ってきた。侑はセンサーかなんか付いとんかいうレベルで反応して、入口におるジャージ姿のはなこの方に走っていった。

「はなこちゃん、おはようさん!」

『あっ…宮くんおはよう』

小学校ん頃とはいえさすがは元、スーパーバレー選手。黒のTシャツとシャカシャカの短パンジャージの中は上下黒のピチッとしたやつ着とるし、姿勢もなんか良え。
完全に贔屓もあるけど学校の女子ん中で一番ジャージ姿似合とると思う。

「ってか」

…ていうか、よう見たらはなこの髪短なっとる。小学校ん頃は短かったけど、高校なって初めて顔合わして話したん昨日で、昨日は確かミディアムやったはず。それが今日は顎のラインで綺麗に切り揃えられとって、前髪も心なしか短い気ぃする。………いや、似合とんやけどさ。

「髪切ったん!?一気におさなーなったなぁ」

この満面の笑みの侑を侑ファンの女子共が見たら、えらいことになるんやろうな。こいつはなんでも態度に出るさかい、完全にはなこは特別なんやろな。

「なんで切ったん?」

まぁ、俺も切った理由は気になるから聞くわけで。

『部活やるんやったら邪魔かなー思て。もしかして変…?』

切ってから幼くなったのを自覚しとるんか、はなこは自分の前髪右手で抑えて隠す。

「「全然」」

……なんでハモんねん。
腹立つから睨んだらツムも睨んでくるし。

『よかった』

実は小学校ん頃の知り合いやのに、
高校なってから会って…なんか変な感じやな。知っとるのに知らんとこ多いし、新鮮や。




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