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聞いて12(一年生編)


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一年の毎年恒例行事、オリエンテーション合宿。別名一年生交流合宿の場所は学校から一時間ちょいバスで行ったとこにある自然少年の家である。その名の通り周りはマジで山しかない。ちょっと行った先に川があるくらい。
施設は結構デカくて割と綺麗で広いな。自然の家言うだけあって床も壁も全部木や。

学年主任の長ったらしい説明曰く、今日からの二泊三日で交流深めながら集団行動学べいうことらしい。正直面倒くさいけど、メシお代わりし放題なんと、夜の自由時間は体育館自由に使えるいう話やからそれだけは楽しみ。先輩の話やと飯は美味いらしいし。

…にしてもバレー部メンツはクセ強い。
角名は体育館ついてから説明始まって3分で寝たし、熱血系の銀はさっそく「シーツのやり方オリエンテーション」でクラスの女子と共同作業して、みんなに弄られとった。

「七志さん侑くんと席隣やったんやって」

「なんなんそれ、ムカつく」

侑はクセというかホンマに我が強い。
バスではなこと一緒座っとったいう話はバス乗っとる間にうちのクラスに届いた。
中学時代の先輩で同じ部活やった北さん曰く中学んときも嫌がらせがあったらしい。やから「よう見たって」て俺ら一年は頼まれたわけやけど、お前が隣に乗ったら余計話ややこしなるやろが。

「なんやねん」

俺が穴開くくらいずーっと見とったら、さすがに侑は気づいた。やっぱ隣にははなこ。

「…ちょお耳貸せ」

クラス男女ごとの部屋割の説明最中、俺は隣のクラスの列の侑の耳元に顔を近づける。後ろのへんで一瞬女子の盛り上がる声が聞こえた。

「お前バス一緒乗ったんやってな。やめたれや。はなこが変に目立ってまうやろ」

「はァ?なんでそんなんお前に言われなアカンねん。だいたいな、ちょっと目立つくらいがええねん。いらんことしたら俺が出るてよう分かるやろ」

とか言うて、後ろチラチラ見よった侑のクラスの女子を侑が見た瞬間、パッて前向きなおる。…つまり、お前のクラスはすでに"なんか"見せるなり言うなりした、と。

「な?」

な?ちゃうわ。

「はなこちゃんは大人しいええ子やから、俺が守ったらんと」

「…まぁええわ」

「フッフ」

それに関して異論はない。

…そういやその笑顔は、バレーでもたまにするやつやな。




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