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最悪の出会い


?最初は単にムカつくヤツだと思っていた。
ーーお互いに。

出会いは中等部一年の頃。
入学早々花粉症で一日中事あるごとにクシャミを連発していたはなこに、当時隣の席だった佐久早聖臣が放った一言が二人の交友のきっかけだった。

「…お前、俺に移すなよ」

入学式の時から普段の体育以外のすべての授業で常にマスクを付けていた佐久早は中学入学当初、背の高さと整ったルックスから一際目立っていたが、そのうち彼の変わった性格やなんとなく話しかけ辛い雰囲気から、周囲は彼に不用意に近寄らなくなった。

しかし、そんな佐久早を特に気にも留めていなかったはなこは、いきなりそんなことを言われてこう言い返したのである。

「……は?」

その日、佐久早は初体験をした。
男子にはいたかもしれないが、女子で自分に向かって、しかも喧嘩腰で「は?」なんて言い返してくる奴は初めてだった。

はなこは「お互いマスクしてんのにどうやってうつんだよ」と書いてある顔で佐久早を睨み返していた。

「風邪じゃないし、花粉症なんですけど」

ーー うざ。ヤンキーかよ。
それがはなこに対して佐久早が抱いた第一印象だったが、じつははなこが佐久早に抱いた第一印象も全く同じだった。

「毎日毎日横でクシャミ鬱陶しいんだよ」

「だから花粉症なんですけど?」

「知るかよ」

ーー なんだコイツ。
互いにピキッと額に青筋を浮かべた時だった。救世主が現れた。

「ごめん!コイツいつもこんな感じだから!」