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犬猿の遭遇
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偶然か否か
_________その告白騒動があったのは池袋。

折原は”怪物”との遭遇も想定に入れてはなこの要件、というか女子達の要件に自分が開いている”自殺オフ”の集会くらいのノリで行った。

会うとすれば帰り、はなこが一緒にいる時。いつもならジャイアニズム満点かつ、理屈の通じない大嫌いな彼と会うのは好ましくない。

しかし今日ははなこがいる。
いや、”はなこがいるように仕向けた”。
敢えて池袋で落ち合う予定にしたのは折原で、それには理由がある。もちろん彼だけの理由が。
それは____________

「シズちゃんてさ、俺がはなこ連れてるの気に食わないんだよ」

知ってた?と問うようにはなこを横目で見る折原はどこか楽しそうで、何かを企んだ笑みを浮かべている。はなこは『そうなんですか?』と問いに問いを投げ返した。

「弟の話と同じレベルでタブーだね。ま、はなこはシズちゃんの幼馴染だし当たり前の反応だけどさ」

『あー…前もそんなことありましたね』


____________じゃあ帰りましょうか?とか、もし見つかったらどうするんですか!…とか。はなこにはそういうのが無い。例え平和島が幼馴染であっても、今はなこには折原から離れる気はない。

「仮にもし今シズちゃんと遭遇した場合、タダの先輩の俺か幼馴染のシズちゃん…はなこはどっちにつくのかな」

含んだ笑みに、『タダの先輩なんて思ってないくせに』とはなこはクスリと笑う。

『うーんそうですね…。私は、傍観すると思います』

後ろで手を組んでニコリと笑いかけるはなこに、折原は「お前は相変わらずのワルだね」と呆れたように笑い返す。親友である岸谷にすら”君”で呼ぶ彼が、家族である妹達同様に”お前”と呼ぶ親しげな態度。

「こんなに幼馴染甲斐のない幼馴染なのに
俺が連れてるだけでどうしてあんなに怒りを剥き出しにするのか______」_______と、その時。
ドォオオオン!!!……コンビニのゴミ箱が二人の間を裂くように飛んできた。

「噂をすればなんとやら」

「イ〜〜ザァーーヤーークーーンよォ」

今日の呼び方は、いつもが80%から始まるなら既に120%の殺気ボルテージまで達しているような声色で。サングラスも既にバーテン服の内側に格納されている様子。

「なァにフツーにはなこ連れてんだ、ァア??池袋にもはなこにも二度と近寄るなつったよなァ''?」

「やだなぁシズちゃん。俺ははなこに頼まれて偶々池袋にいたんだって」

折原は”はなこ”と”偶々”を強調。

「そうか。____________よし、殺す」

理屈が通じない。いつも通りの平和島に、折原は一瞬だけ本心から嫌そうな顔をする。
そして、次の瞬間笑顔に戻ると、「いいのかな?そんなこと言っちゃって」_______キィン。

ゆっくりと歩いていた折原は、平和島と自分の間にいたはなこの後ろまでくると、抱き閉めるようにはなこの背後から右手をかける。その右手には折りたたみナイフが握られており、刃ははなこの首筋を向いていた。


「幼馴染、どうなってもいいの」


____________その声は低く。







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