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爆豪と少女の噂。爆豪の行動理由。
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ーー 時は遡り数日前。

爆豪とはなこ以外のクラスメイト数人の間である話が盛り上がった。
それは1年A組の教室から出て廊下の窓から爆豪とはなこが一緒に下校する後ろ姿が見えた事が始まりだ。

はなこよりも一、二歩爆豪が前を歩いているが、その距離感やはなこから会話をしている様子からして一緒に下校しているのは間違いない。

「アイツらまたじゃん!切島クンよ!爆豪クンをはなこに取られちゃったな!」

「ダーーッ!また置いてきやがったあの二人!俺帰るわ!じゃまた明日!」

しかもこれは今日に限ったことではなく、死柄木がはなこに接触して以降毎日だった。
どちらから誘ったのかはわからないが、なんとなくでああはならないはず。

幼馴染の緑谷曰く爆豪は、
口も態度も悪い、まさに見た目も中身もヤンキーな訳だがルックスも良く、派手な個性と抜群の運動神経、学年トップ成績。何をやらせても人並み以上に初めからできてしまう爆豪はかなりにモテていたらしい。……が、爆豪が誰かと付き合ったと言う話を聞いたことも、それどころか今まで一度も女子と二人きりで登下校するところを見た事がないらしい。

「爆豪のヤツここんとこはなこちゃんとずっと一緒じゃね?帰る時さー」

「だよな。まぁ結は学年一可愛いって噂あるし実際そうだし、爆豪も爆豪で雄英体育祭優勝でお似合いだけどな。トップカップルじゃん。」

廊下の窓に頬杖をついて爆豪とはなこを見送る瀬呂と佐藤。心底珍しい光景を緑谷もその二人の斜め後ろで眺めている。
そしてその後ろで上鳴と峰田が悔しそうに騒いでいた。

「認めてたまるかッ!な!峰田!」

「そうだそうだ!そんな漫画みたいな展開あってたまるか!」

「でもさでもさー学年トップといえば轟もだよ?轟は実力もそうだし、なによりルックスは雄英のトップなんじゃないかって聞いたことあるし、体育祭で絶対他校にも人気出てるって!」

葉隠が上鳴と峰田にトドメを刺す。
とりあえず帰ろうと声をかける緑谷。爆豪くんだってルックス負けてへん!となぜか葉隠に対抗心を燃やす麗日。




教室前の廊下で話していたようなことははなこと爆豪の間には何一つ当てはまっていなかった。

二人だけが共有する秘密 ーー "青離の襲撃" 。

はなこの動かなくなった左腕を治すには、青離本人が言っていたように青離にはなこが勝つしかない。

逆を返せばはなこの腕を治す方法はそれしかない。

ーー 爆豪は決めていた。
自分が青離に勝利し、はなこの腕を治させると。
そしてそれこそがはなこに護られた事とそれによって負わせた怪我の借りを返す唯一で確かな方法だと。

青離ははなこに言っていた。
"次会った時"

そしてはなこは青離にこう言っていた。
"今度は最初から自分を狙え"と。

ーー 爆豪がはなこと下校するようになったその理由ははなこと行動し、青離がはなこを狙って出てきた時に叩く為だった。
故に誘ったのも爆豪からだ。

「おい四次元…帰んぞ」

『……え?なんで?いつも一緒に帰らないじゃん。爆豪くんそう言うキャラじゃないし…ってことは"この前のこと"、罪悪感感じて ーー』

「感じてねェわ微塵もな!大体アレはオメーが勝手に出てきただけだろうが!ァア!?」

確かにそれは事実だけど、本当は思っていなかった。
なぜならはなこが勝手に出てきたのは自分が反応し遅れたからで。

『だよね。…ごめんね、巻き込んで。』

「勘違いすんな。俺はテメェに巻き込まれてねえ。あのクソ野郎は俺を狙ってきた。…俺の問題だ」

キレながらも。少し矛盾を感じながらも。

『……まぁ、いいや。それはそうと私、爆豪くんとはデートしてみたかったんだ。』

「デートじゃねぇわ頭沸騰してんのかテメェ!」

天然なのは知っていた。それもドが付くほどの。
でも、この時のはなこのバカで大胆な発言にはソレを感じなかった。

どこか、寂しそうな顔で本心を言っていたような気がした。





ーー 時は戻り、マンダレイのテレパスがまた流れた。

《ヴィランの狙いの1つ判明!生徒の“かっちゃん”と"はなこ"!かっちゃんとはなこはなるべく戦闘を避けて!単独では動かないこと!わかった!?!!かっちゃん!…はなこ!》

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