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どうでもいい
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二人のヴィランが現れた肝試しの出発地点を離れ、肝試しのコースとなっていた道を走る。個性で創造したガスマスクは出発地点を出たと同時に創った。

『…やっぱり…この襲撃の目的に私も含まれてる…』

青離が爆豪と轟に接触するかもしれないという可能性と、そうなった場合青離は絶対に二人を殺すという確信を元に二人のところへ急ぐ。

他のヴィランとの接触を避けるために創造で走りをスピードアップさせるような事はしていないが、はなこはなんとなく感覚的に感じていた事があった。

ーー 誘導されている。
だから恐らく自分に邪魔は入らない、と。

死柄木がショッピングモールで接触して来た時に言っていた。青離は敵連合入りしていると。

恐らくこの襲撃の目的の一つははなこだ。
しかしそれだけであればピクシーボブに攻撃する必要も、森に火をつけ毒ガスを充満させる必要もない。

つまり目的はそれではない。
外部に知らされていない万全を期した合宿所に現れ、地形や肝試しで生徒が外に出ている状況を利用したこの襲撃 ーー 。

かなり入念に計画されているのは間違いない。

『(…二、三歩遅れたつもりで立ち回らないと死人出るやつだ)』

爆豪と轟の元へ急ぐ為、はなこは肝試しのコースから外れて雑草だらけの地面に跳んだ ーー …その時だった。

「問題です。爆豪くんと轟くんは生きているでしょうか?」

全てを知ったような黄金色の眼をした青年が立っていた。

『…探す手間が省けた。…二人には会ってないんでしょ?服も顔も汚れてない』

はなこはこの時、クラスの誰にも向けたことのないような冷たい眼をしていた。爆豪と轟に青離が接触していなくて良かったという安心や安堵の感情は最早なく、あるのは目の前の敵を排除するという獰猛な獣の本能にも似た感情。

「家は俺をどうしろって?倒せなきゃ帰る場所はないとか言ってなかった?」

『虫の息まで追い詰めて片付けろって言われた。できるなら殺してもいいって。』

一瞬だけ、青離ははなこに本心からの哀れみの笑みを浮かべた。

『片付けられないならお前に帰る場所はない』

ブゥウン……
次々とはなこのサイドの空間に現れる創造ゲート。

「なら好都合だ。俺もちょうどお前を殺したいと思ってたから」

『死柄木弔に怒られないの?彼、私にスカウトしてきたけど』

「ああ…たしかに一応はなこを連れて帰って来いって話だけどその辺は気にしないでいいよ。俺に負けるような雑魚は要らないって言えば済む話だから。…はなここそいーの?戦闘許可も出てないのに単独で俺探して」

『……そーだね』

ドッ…!!
創造ゲートから放たれた何十本もの鋭利なナイフ。

『どうでもいい』

冷めた表情、氷のように冷たい薄紫色の瞳。次々と現れる創造ゲート。



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