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夕飯共同作業!
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____________午後四時。

昼休憩前に他のクラスメイト達と合流したはなこも加わり、全員で夕飯を作る。しかも火を起こす所からだ。
プッシーキャッツのラグドールが、全身筋肉痛に疲労困憊の生徒達と真逆のテンションで「己で食う飯くらい己で作れ!」と指差していたカレー粉とその材料を2クラスで手分けして調理していく。

「特別課題ってどんなことやったんだ。相澤先生はなんか、建物じゃねえとできねぇとか言ってたけど」

用意された薪を一本、一本と左手で取って右腕に抱えていると、隣にしゃがんだ轟が同じように薪を拾い始めた。

『建物の中から建物の外にゲート出す練習。それが出来ないと合流させないって言われて』

「…目で見てない場所にも出せるようになったのか?」

はなこの個性に由来する器官・部位は"眼(視力)"。ゲートの展開=視野の範囲。死角や見えない場所には創造するゲートは勿論、それだけで防御等が可能な創造しないゲートも展開することはできない(ゲートから出た創造にはできる)。

『ううん、窓越し。見えない場所には出せないから。薄いガラス一枚あるだけなのに結構難しくて、結局合流できたのお昼前になった』

はなこは薪を抱えて立ち上がる。後から来たのにはなこよりも先に持てる分の薪を持った轟は、「そういうことか。すげぇな」と言って立ち上がった。

「…それで今ちゃんと目ぇ見えてんのか」

『左目はほとんど見えてないけど、右目は生きてるから大丈夫。焦凍君は身体大丈夫?お湯に浸かってどっちも使うって相当疲れそうだけど』

「ちょっとダルい。…いや、それ大丈夫って言わねぇだろ」

薪を運ぶはなこと轟。
雄英の超スパルタ強化合宿とはいえど学校行事の合宿の夕飯を作る作業中、学年一の美男美女が同じ物を持って話しながら歩いている________…そんな光景に「仲良いよなぁ」と切島がぼやくと、そこに通りかかった上鳴が「俺だってはなこと二人で並んで話したことくらいあるし!」と謎の対抗心をぶつける。
一方爆豪は轟とはなこが話しながら同じ物を運んでいる光景に別の意味でイラついている。彼の気持ちを代弁して簡潔にまとめるならば、"仲良しごっこ気持ち悪りィ"が適切だ。

誰もが皆 昨日と今日の訓練で身体に鉛のような重さを感じ疲労してはいるが、共同作業というイベントを楽しんでいるように見える。


________…穏やかな時間は長くは続かない。



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