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爆豪くんに送ってもらいましょう2/番外編
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__________今日という日を忘れないだろう。
少女は今夜、自分のタイミングや運の悪さを改めて思い知る。
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爆豪と、そのほんの斜め後ろを歩くはなこ。二人が無言で歩いて約10分。住宅街の数メートル前にある公園を通りかかった時だった。
『!…っ…伏せて爆豪君!!!』
「な………!?」
___________ヒュンッ……
はなこが突如感じた"心当たりのある"嫌な気配に振り返った時にはもう既にそれは放たれていた。
青の閃光 ーー 嫌な気配から放たれた数本の青い閃光は自分ではなく、自分のほんの少し前を歩いていた爆豪に向けられたものだった。
ドドドドドドドドドッッ…!!!!!
青い閃光の速度、視界に捉えた時点での距離…を考えれば個性"だけ"では間に合わない。
はなこは<完全創造>の"創造しないゲート"を自分と爆豪の前に数枚創造しながら咄嗟に爆豪の前に両腕を広げて立った。
_________グサッ…!
咄嗟の判断で創造した、それだけで防御が可能な煙の渦の間をすり抜けた青の閃光ははなこの包帯が巻かれた左腕を射抜く。
「はなこ!」
咄嗟にそう叫んだのは爆豪だ。
突然青の閃光…否、青い光を放つ細く鋭い矢のようなものが何本も飛んできて、それを自分よりも先に気がついたはなこが個性と身体を張って爆豪に当たるのを防いだ。
しかしその閃光を放った人間が見当たらない。
「クソが…」
はなこが咄嗟に創造したゲートの隙間を縫って飛んできた細く鋭い矢がはなこの左腕に貫通してるのを爆豪は目を細め睨む。
爆豪はたしかに今、はなこに護られた。
「……………」
はなこを庇うようにしてはなこの前に立った爆豪は周囲を警戒しながらも思考をフル回転させる。
普段ならまずここで自分を護ったこと対してキレるが、はなこよりも僅かに反応が遅れ、この一瞬で軽傷とは言い難い傷をはなこに負わせた。しかも敵の姿が見えない上に場所は住宅街のすぐ側。
_______________この状況…気は抜けない。
爆豪又ははなこがここを通ると知っているヴィランが待ち伏せしていたか、それとも偶然巻き込まれたか…。
思考を巡らせる爆豪はパッと切島とファミレスで話したことを思い出した。
そういえばはなこは今日、1-Aの数人で出かけたショッピングモールで敵連合のリーダー格である死柄木弔に直接敵連合への勧誘を受けた。
『爆豪くん、走るの早い?』
その時だった。背後のはなこからあまりにも唐突すぎる質問が投げられた。
「……………は?」
爆豪は周囲を警戒しながら背後のはなこに振り返ると、どくどくと血が流れ出る左腕の傷口を手で抑えたはなこが『お願い応えて』と真剣な顔で言う。はなこの腕を貫通した青く朧に光っていた矢は傷痕だけを残し、いつのまにか消えていた。
はなこの表情には少し焦りも見られる。それは腕の痛みに耐えているようにも見えるが、爆豪はその表情と雰囲気にもっと別の何かを感じていた。
「早ェに決まってんだろ」
同時に腕以外からも血が滴っていることに気がつく。はなこの左耳あたりの灰色の髪が毛先にわたって赤く染まり、毛先からポタポタと血が滴っていた。
『…家まで走って、その間に通報して』
「黙れ俺に指図すんな。つかその言い方からして知ってんな?どこのどいつがふざけたことしてきやがったか」
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