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VS爆豪!
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開始のブザーが鳴った。
市街地を模したステージを一斉に走る。
目指すは互いに敵の居所だ。

「おっと、はなこちゃんと轟見つけだぜ!」

「だな!」

一番最初に遭遇したのは赤チームの切島と瀬呂、青チームの結と轟だ。

「行けはなこ」

『了解』

轟の氷の噴出と同時にはなこは走った。それを捕らえようと瀬呂が伸ばしたテープは、はなこの個性<完全創造>で空間から渦巻く煙と共に現れたナイフが切り裂く。

「チッ!速ェな!」




マップのほぼ中心エリアで戦闘を開始した切島、瀬呂と轟から離れたはなこは爆豪を探して走っていると、曲がり角を曲がった瞬間爆発が起こった。

爆発で舞い上がった砂埃と煙の中、低い声が聞こえた。

「誰探してんだ?ァア?」

煙の中、爆豪ははなこを見つける。地面にしゃがんでしっかりと見つめ返して来るはなこを。
____________ギラリ。

『爆豪くん』

煙の中で、獣の如く光らせた薄紫色の瞳。これからだと言わんばかりの挑戦的な笑み。徐々に晴れていく煙。
直後、爆発を囲うように空間に現れたいくつもの渦巻く煙から"ミサイルのようなもの"が顔を出す。オールマイトに発射したものと似ている。

________________…ドドドド!!!!

はなこはミサイルを至近距離で爆豪に放ちら同時に距離を取る。彼がこの程度でやられるはずがないと踏んでのことだ。

『やっぱり』

いくつもの爆発が一箇所で集中的に起きている。その中心から飛び出て来た人影は迷うことなくはなこを見つけ、殴る勢いで掌から爆発を放った。

________…が、それも織り込み済みだったはなこは爆豪の拳の前に頭で瞬時に想像した "爆発ならばどんな規模でも防げる鉄の板" を創造。それによって爆豪の爆発は1ミリも届く事なく防がれる。

「クソが…(…頭の回転も早ェ。ポニーテールの個性のチート版か)」

『あら、全然怪我してないね』

いつものヘラっとした笑顔で、サラリとそう言う。

「台詞とツラが合ってねんだよ」

その好戦的なセリフと態度に爆豪は釣られて口角を上げた。

だが、このセリフを聞いたのが爆豪だけで良かった(オールマイトは一部始終を聞いている)。はなこも相手を選んで言ってはいるが、他の生徒が間近で聞けばゾッとするのは間違いないだろう。

「いいぜ四次元。こっからが本番だ」

『はなこだよ』

強敵を前に笑う二人は一斉に地面を蹴った。

最初に間合いに入って仕掛けたのは爆豪だ。右拳をはなこの顔面めがけて飛ばす。
はなこはそれをしゃがんで避け、走った勢いのまま爆豪の背後へ滑り込む。

また空間に現れるいくつもの渦巻く煙。

「ハッ!バーカもうネタバレしてんだよ!」

ドォオオオオン!!!!
渦巻いた煙の中心から創造された物体が顔を出した瞬間それら全てを爆破すると、創造された物体は煙ごと消えていく。

『さっきの集中ミサイル受けて無傷なわけだ』

はなこはなら仕方ないなと諦めたように両手を挙げた。お手上げだと言わんばかりに。

「あんな花火で怪我するかよ」

一瞬目を閉じる。
______________たった数回で見抜かれた。
これは"ちゃんと"本気を出さないと、負ける(死ぬ)んじゃない?

ふわりとはなこの灰色の髪が風で舞う。
再び開かれたその目には________…"殺気"。

「来い」



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