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一週間の強化合宿だってよ
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___________________HR後。


「一週間の強化合宿か!」

『合宿かぁ』

爆豪との一騎打ち以降、オールマイトと轟に掛けられた言葉の影響で少しずつ、確実にはなこは良い方向へ変わっていった。

期末試験は無事終わった。
担任の相澤の合理的虚偽で、"欠点…つまり赤点を出した者は合宿には参加できず学校で補修地獄"というのは嘘で、テスト明けのHRが始まるまで絶望していた赤点五人組はまさに水を得た魚のよう。
合宿中に別途で補修時間を設けるという条件付きだが、行けないと思い諦めていた五人にとっては十分呑める条件だった。

「結構な大荷物になるね」

「暗視ゴーグル」

『(…暗視ゴーグル?)』

飯田の開いたしおりを覗き込む緑谷。
その間妄言を吐いた峰田に疑問を持ちながらも、このクラスで一番変態男だと蛙吹に忠告されたのを思い出し、はなこはそっとスルーする。

「水着とか持ってねーや。色々買わねーとな」

「あ!じゃあさ!明日休みだしテスト明けだし…ってことでA組みんなで買い物行こうよ!」

葉隠の提案に「おお良い!何気にこうゆうの初じゃね!?」と上鳴は便乗した。その話を聞いていた他の生徒たちも次々と便乗していくのを感じながら、「はなこも行かん?」とはなこの肩に腕を乗せてもたれかかる。
直後耳郎が「離れろナンパ野郎!」と叫んだのは言うまでもない。

「ワリ!痛かったか!?」

上鳴がもたれかかったのは、転入してきた日から毎日包帯を巻いてきている左腕。上鳴は咄嗟に一歩下がった。
転入した頃に"家がヒーロー戦闘訓練の道場みたいな感じで、大したことはないけれど見せたくないからこの包帯はその鍛錬の痕を隠している"と言っていたが、転入してからしばらく経つというのに包帯を外したところはまだ見たことがない。

『全然大丈夫だよ』

「よかったー!!」

「つかその包帯いつ取れんの?」

全身で安堵を表す上鳴の側で瀬呂がはなこに問う。ある意味聞き辛いけれど気になっていた者が多い質問を話の流れで上手く聞いた。

『痣とかが完全に消えたらかなぁ。暑いから私も早くとりたい』

そう言って笑うはなこに「はなこ肌白いもんな!」と瀬呂は納得した様子。

「はなこン家、ヒーローの戦闘訓練の道場らしいぜ。いつかお邪魔したい!」

「おっ、道場破り的な?」

よっしゃやったると言わんばかりに拳を掌に打ち付ける切島に、教科書をバッグにしまいながら「いや、それは辞めといた方がいいぞ」と轟が水を差す。

「そういや轟お前、はなこちゃんとガキの頃からの知り合いだっけ。なんでだ?」

「死ぬ。」

「「死ぬ。」」

真顔でサラリと言ってのけた轟に、切島と上鳴復唱がハモる。もちろんこの会話は爆豪の耳にも届いていたし、目の前で聞いていた緑谷は帰って調べてみようと考える。

「話戻そうよ!明日、行くよね?」

「おう!はなこちゃんも来いよ!」

『うーん…うん。行く』

「だってよ爆豪!お前も来い!」

「だってよってなんだコラ!行ってたまるかかったりィ」

『焦凍くんはくる?』

「休日は見舞いだ」

「ノリが悪いよ空気読めやKY男共ォ!!」

ヒーロー基礎学での一騎打ち以降、爆豪は変わらず接してくれる。というか、接したら暴言で接し返してくれる…というのが正しい。クラスメイトはその光景に慣れたものの、他のクラスの生徒からすれば学年一可愛い女子が「よりにもよってなぜ爆豪」としか思えないわけで。



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