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「#エロ」のBL小説を読む
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教え殺されに!
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【 土曜日、午前9時 】
「はなこちゃんも一緒てマジで!?爆豪ナイス!」
「なにがナイスだ殺すぞクソ髪ィ!」
切島は爆豪に期末に向けて勉強を教わるため、爆豪が指定した喫茶店に時間通り到着したのだが、そこには爆豪と予想外な先客がいた。
シンプルな黒いカッターシャツの袖から見える細い左腕に巻かれた包帯。そう、爆豪の前に座っていたのはつい最近転入して来た今はクラスメイトの結はなこだった。
グッジョブ!と親指を立てて現れた切島に早々ブチギレる爆豪。切島に気づいたはなこは勉強道具を持って立ち上がり、座っていた席を「爆豪くんも私も今来たばっかり。ここ座って」と切島に譲った。
「アザス!…ってはなこちゃんどっち座る?てかゴメン。シンプルになんでいんだ?」
『爆豪君頭いいみたいだから』
向かい合って座る爆豪と切島。席を譲ったのはいいが、どっちに座るべきか迷う。
「はなこちゃん勉強苦手に見えねーわ。ガキの頃から付き合いある轟に教わんねーの?」
『エンデヴァーに会ったら多分、無理やり手合わせさせられるから焦凍くんが可哀想だし』
はなこは国語と数学が苦手でと付け加え、とりあえず勉強道具をテーブルに置く。
「くだらねェことごちゃごちゃ言ってねーでさっさと勉強道具出せや。お前はまず座れボケ!」
『あ、ごめん。でもどっち座ったらいい?』
またまた沸点の低い爆豪が達してしまったようで、今にも爆発を起こしそうな雰囲気だ。
「爆豪の隣だと爆破するかもだし俺側座るか?」
「しねーわ教え殺したるからコッチ座れや四次元女ァ!」
オラァ!と奥に詰めて一人分の席を空けた爆豪。ツンツンに吊り上げられた目尻に、はなこはTVで見た体育祭の表彰式を思い出しながら爆豪の隣に腰掛ける。
会って数分。勉強に関しては始まってすらいないこの段階でもう追い出されそうな予感がするが、何はともあれ勉強会のスタートだ。
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