×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
________________________
爆豪勝己がS極ならば。
________________________


.



______________翌日、朝。

通学路はなんとなく覚えたような気はする。
が、これで間違っていてもし遅刻でもしたら担任の相澤がどんなペナルティを与えてくるかわからない。昨日はペナルティとかではなかったものの、転入生扱いをしないことを理由に初登校数分後に地図片手に校内を走らされた。
加えて階段から落ちて鼻血が出たことも考えると、ナビを見て確実に登校する以外の余地なしかと思われる。

『あ、』

「ァ?」

マンションから出て約三分。
低めのビルヂングの角を曲がると、まだ転入して半日しか経っていないはなこでもクラス一ヤバイ人だと分かる男子生徒に出くわす。昨日の局地的な雨といいこの展開といい、神様は一体どういう理由でこんな展開を用意しているのか。
雄英の体育祭で一位をとった爆豪勝己と、昨日転校して来たばかりの可愛い系、超戦闘タイプ個性の結はなこ。そこだけ聞けば少女漫画顔負けの状況なわけだが________…どう見ても違う。不機嫌そうな顔でこれでもかというくらいに釣り上げられた目元。赤い瞳は完全にはなこを見下ろしている。

『昨日はありがとう。あの後10分くらいしてすぐにローソン見つけられた』

「ンで10分もかかんだ幼児かお前は」

『だってこの辺知らない場所だし』

掴み所ない笑顔を浮かべるはなこに対し、低過ぎる沸点を超えた爆豪は「後ろ歩けや四次元女」と両手のひらで小さな爆発を起こす。

『爆豪くんて頭いい?』

話聞けやと思いながらも、その質問には即座に答える必要と答えなければならないプライドが爆豪にはあるわけで。

「いいに決まっとるわカス」

『数学も国語もどっちも出来る系?』

「たりめーだボケ」

爆豪の目をジッと見つめ、満足げにふぅんと笑うはなこ。口の悪さは置いておいておくとして、見栄を張ったり嘘はついていない様子だった。嘘も見栄張りも目を見れば分かるものだ。

「ふぅんてこの俺に聞くだけ聞いといて舐めてんのかクソ四次元女」

四次元…昨日ドラ◯もんみたいな個性って言ってたからそういうことかと思いつつ、それに関しては敢えて突っ込まないことにする。

『昨日相澤先生から電話きてさ、転入時期もあって今回だけテスト内容みんなと違うって言われたんだけど…私国語と数学ダメだから誰かに教わりたいなぁって思ってて』

「知るか。半分野郎にでも教わっとけや」

そう吐き捨て、ズボンの両ポケットに手を入れズカズカと学校へ歩いて行く爆豪は次のはなこのセリフにコンマ数秒で振り返ることになる。

『…………苦手なんだね、ごめん』

「得意だわ!お前教え殺したるわ!」

『わっ、ほんと?ありがとうっ』

両手をパチンと合わせ、嬉しそうな笑顔を浮かべるはなこ。ちなみにクラスメイトにも爆豪の扱いが上手い者がほんの数人だけいるが、はなこの場合はレアケース…つまり天然だった。

そんなはなこにチッと大きな舌打ちをして、爆豪はズカズカと先に歩いて行った。



.

prev next