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林間合宿の知らせ
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ーホームルームー

「転入生とはだいぶ打ち解けてるみたいだから敢えて紹介は省くぞ。…えー、そろそろ夏休みも近いがもちろん君らが30日間1ヶ月休める道理はない」

転入初日、色々あったが取り敢えず午後の授業を消化しあっという間にホームルームの時間に。出席番号は一番最後。故に副委員長八百万の後ろの席となった。

「まさか……!」

「夏休み林間合宿やるぞ」

「しってたよー!やったー!」

入学初日のこともあって、なにかと担任の相澤のセリフに身構える生徒たちだが、今回はあらかじめこの展開を予想していたため、予想通りの展開に舞い上がる。

「肝試そー!」
「風呂!風呂!」
「花火」

一気に騒がしくなる教室。そんな中、そういった行事があることを知らなかったはなこは気を使って話しかけてくれている八百万に聞いてみることに。

「自然環境ですとまた活動条件が変わってきますわね」

『合宿…があるの?』

「ええ。確か期間は一週間ほどですわ」

八百万が頑張りましょうねとはなこに言いかけた時だった。

「ただし」

相澤のいつもの威圧感に、一瞬にしてクラスはシーンと静まり返る。はなこは知らなくて当然だが、この空気は何か良くないことを言う時のやつだと生徒たちは感じる。

「その前の期末テストで合格点に満たなかったものは……学校で補習地獄だ」

そのセリフで何人のテンションがジェットコースターの如く急降下したことだろう。

「みんな頑張ろーぜ!!!」

『(きりしま……くん、ばくごうくん…?…名前は一応覚えといた方がいいよな。うん)』

絶望する生徒を鼓舞するのは赤髪の男子。頬杖をついて「クソ下らねー」と吐き捨てる赤目の男子。

「はなこさん、期末テストは自信ありまして?」

『まだ範囲も何もわかんないから、なんともいえないかも…』

「そうでしたわ!転入したばかりですものね。でしたら今勉強中のところを大まかにリストアップしてお教えしましょうか?」

とても親切な八百万に、士傑にはこんな人いなかったなと三ヶ月だけ通った学校のことを思い出す。

『うーん…でも悪いなぁ…』

「いいえ、お気になさらず。何か困った事などありましたらいつでも頼って下さい」

どこまでも優しく、そして頼れる副委員長にはなこは笑顔で礼を言う。そんな可愛らしい女子高生の日常的光景を目に焼き付けるべく男子数名は癒されつつもガン見していた。


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