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テーピング21
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『あ、愛莉ちゃんと江戸川さん』

「はなこも入ってたの?てっきり杉丸と同じタイミングで入るもんだとおもってた」

『先に行けって言われたから』

風呂上がりの愛莉と江戸川、そしてはなこはコレクト5の待つスイートルームへ。
部屋に入ると同時にはなこを待っていた杉丸と目が合う。

「風呂ってきた?」

「俺らもあとでいこーぜ」

何を思ったのか杉丸は黙ってソファから立ち上がると部屋の端まで行き、置いておいた厚手のスポーツウェアを持って戻ると「薄着厳禁。はい、着る」と言ってはなこに着せた。

「へースイートいい部屋じゃない。
わーオーシャンビューなんだ!朝が楽しみ」

「じゃあ私はそろそろ…」

栄美が着れば体に添うようにピチッと合うスポーツウエア。しかしはなこが着るとまるで子供が大人の服を着たようなことになる。が、互いに気にしていないのではなこは『ありがとう』と大人しくジャージを着せられた。

「え!?泊まってかないの!?」

「うん。帰ります。母が家で一人なので」

「別に部屋用意してるから泊まって明日帰れば?」と江戸川に提案する平。彼女と出会った当初の態度とは天と地の差があるのは、神楽木のことと愛莉事件を解決に導いたことが大きいと言える。

「あ ほんとに大丈夫です。駅までバスが出てて、特急に乗れば今日中に着けるので。(それにコレクト5といっしょとかキンチョーするし…)」

「ハルトの車乗ってきゃいーじゃん。あいつも帰るってさ」

左腕はソファに、右腕ははなこの肩に回している栄美が顔だけ江戸川に向けてそう言う。
栄美の側で大人しくしているはなこにさっきのショーの強い面影はなく、いつもの不思議な雰囲気に戻っている。

『あ、ハルトくんいたよ』

座っていたはなこは身体をひねり、ソファに膝立ちになって神楽木を指差す。もちろん"さっきのこと"は言わない。栄美も大切だが、神楽木も大切だからだ。

おそらくさっきのことで動揺している神楽木はやたらと大きく足を踏み出しながら玄関へと歩く。誰が見てもおかしい神楽木を平が追いかけていった。

「んじゃ俺も風呂ってくるか」

『このジャージ持っていく?』

「いや、お前着とけよ」

『じゃあ、私部屋いくね』

「おー。上がったら行くわ」

『じゃあ、鍵渡しとくよ。万が一寝てたら悪いから』

「この時間に寝るて、お前は餓鬼か!」




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