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「#エロ」のBL小説を読む
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それは進展か、?
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挨拶と言ってから、五分以上経過した。

彼はこの国を治める長、多忙の水影。
世話になった者をないがしろにはできないし
するような者でもない。

はなこはほんの少し離れた場所で待つ。


「おいガキ、邪魔なんだそこどけ」

『すいません』


額当てをした男達。
確かに少し邪魔だったかもしれないので
はなこは素直に謝って横に退く。
すると男達は、水影の存在に気づいた。


「おい、アレ水影じゃねぇのか」

「今なら一人だ。他の二人は引退して大したことねェ。」

「ここで屍澄真の役に立とうぜ!」


そんな話が聞こえて、はなこが黙っている筈がない。


『あの』

「ぁあ?今から忙しくなんだよ、話しかけんな」

『水影に手を出すつもりなんですか?』

「だったらなんだ?」

『私は彼の側近です。だから……
彼に手を出したいなら、私を先に殺してみてよ』

「てめぇ……屍澄真が言ってた女だな?ならココで望み通りブッ殺してやるよ!」


返事をする代わりに、はなこは水影とその客から
離れるため、一瞬で裏路地へ駆け込んだ。
同時にはなこを囲む男達。それもかなりの人数だ。






________________その、五分後。


『ホントなら殺したかった。先生に手を出す奴なんてこの世にいらないから』


裏路地、建物と建物の間
雲間から差し込んだ月明かりに照らされる
返り血を浴びた灰色の忍服。

倒れたはずの敵二人が、突然起き上がり
はなこに襲いかかってきて、手こずった。


「やはり、"乗っ取り"はチャクラが練り辛いな…」

「楽して殺せる程、はなこはヤワじゃないからね。それじゃ、またねはなこ」


現れたのはおそらくあの二人。
そして彼らの話通りなら、その二人は
身体を乗っ取って戦う事ができる。
ただし本来の力は発揮できないらしい。


『…………』

「はなこ!」


前髪から滴った血が頬を濡らす。
それを手の甲で拭いながら振り返り、はなこは呟く。

路地の入り口に立つ、長十郎に。

『…里の反逆者でした』


氷は溶け、地面では水と血が混じり合う。
長十郎は急いではなこの元へ。


「すまない。少し長くなってしまった」


はなこの額から流れ出る血を片手で押さえる長十郎。


『反逆者のうち、二人は夕飯の時に現れたヤツでした。倒れた反逆者の体を乗っ取って闘ってきた』

「!…乗っ取って?」

『はい。どんな術かはわからないけど、今までの事を考えると最低二つは特殊な術を持ってます。
…あとこれは勘ですが、あの二人はもしかすると屍澄真と組んでるかもしれません』


それはカカシ譲りの鋭い分析。


「そうか……。本当に油断できないな。
…とにかく、本当にすまなかった。どんな理由があれ、君に怪我をさせてしまったのは僕の落ち度だ」

『…でも、よかった』

「…ん?」

『先生の側近の仕事ができたから』

「…………取り敢えずそんな格好で街中を歩かせられませんね。」


その笑顔は反則だと心で呟きながら
長十郎は軽々とはなこを横抱きにした。


『えっ………え……?、?』

「帰りますよ」




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