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安堵が彼への依存を示し
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____________……見えない。
目を開いている筈なのに、視界に広がるのは闇だ。
もしかして失明してしまったのだろうか。
それでは彼の目的の役に立てない。
彼に捨てられてしまう。
そんなことを考えていたら
カツカツと響いた足音が聞こえた。
「…」
布団で寝ているはなこが、天井に向かって
手を伸ばせば、血の混ざった赤い涙が包帯に滲む。
「痛むのか」
痛いから、泣いているのだと思った。
あのはなこが何かに涙することなど
今までになかったからだ。
『マダラ…どこにいるの。私、失明したの?』
一見大人しそうな顔と態度をしているが
内心は強気。日頃からあのマダラと行動を共にし
時に反抗的な態度と行動で彼を困らせている程だ。
________…そんな彼女達が今、弱々しい声と
空に伸ばした手でマダラを探している。
その手には失明の不安と、彼の考え、
次の言葉に対する恐怖心があった。
「失明はしていない。包帯を変えてやる。起きれるなら起きろ」
『………』
ああ________良かった…。
こんなにも安堵したことはあるだろうか。
…絶対に無い。
ホッとして緩んだ涙腺からまた、赤い涙。
染み込みきれなくなった包帯から流れ出たのを見て
マダラはまた、余程痛いのだろうと察する。
「その痛みはもう少しの間辛抱しろ。左目は薬で今日明日のうちにマシにはなる筈だ」
『…痛くて泣いてるんじゃない。…頭は痛いけど』
「じゃあなんだ」
『………べつに。マダラには言いたくない』
「俺に手当てさせておいてその上隠し事とはいい度胸だな」
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