食後には1日の報告と明日の予定を決めるのが日課だそうで、食後茶を飲みながら聞く。
ちなみに茶も中国茶だった。凝り性だね。
今日の報告は私が鍛刀されたのでメインはそれかな。
ほかにも細々とした報告はあるけどどれも3行で済みそうな内容だ。
でもって予定は
「もう一振り鍛刀したいな、と思うんです…けど、」
「けど?」
「その、資源が……」
あ〜……そうか。だいたいゲームと同じみたいだから私でやっと1部隊揃ったところだし、
出陣って言っても最初の方の戦場から進めてないみたいだし……。
支給されるものもあるけどここにいる初期刀以外は皆鍛刀らしいから。
「今日もかなり入れたからな」
「すまん!」
「そっういう意味で言ったんじゃないっ」
分かってる!条件反射でつい。だがすまん。
脇差以下除く太刀狙いだと最低でもALL500。短刀が10本呼べるからね、そのくらいの働きはします、はい頑張ります。私はいったいどれだけの資源で呼ばれたんだ…?
知りたいような知りたくないような。
「おっ俺は、あんたが来て良かったと……」
思う。
消えそうな声でほとんど囁きのように紡がれたそれを、刀剣男士の耳はきっちり拾った。
控えめに言って天使か??
ぽろっと口からまろび出そうになったキャラ崩壊な言葉を茶で無理やり飲み込んで「そりゃ光栄だ」とそれっぽい事を口にする。
ひらりと桜が舞った。
アッ待って桜舞わないで!クールに決めたのに!
恥ずかしいなコレ!!
小休止。
私の誉桜に私以上に照れて布から出てこなくなった山姥切が復帰したのを見て話し合いを再開する。
「一ついいか」
骨喰が挙手する。
「出陣先は今のまま、鶴丸を入れた1部隊でしばらく様子を見たい。
俺たちは連携が取れていないからこの先厳しくなるとこんのすけが言っていた。
刀を増やす前に、最低でも今いる仲間で連携できるようになるべきじゃないかと思う」
各個撃破と洒落込めるのは連携がある程度あって意味を成すものだからなぁ。
練度だって高いとは言えない。
骨喰が提案してきたのは少し意外だったがおおむね賛成だ。けど、
「あ、なら、それで…」
いや待て待て。特に賛否の声なく決定するのは早いだろう。 これは議論なんだから。
「主、骨喰のはあくまで提案だ。君はどうしてもう一振り呼ぼうと思ったんだ?」
今まで鍛刀スパンは空いてたのに。
まさかまだ24時間経たないうちに「あっ鶴丸ムリだわ。違う人呼ぼ」ってなったわけじゃないだろう?無いよな!?
「もう一振りいれば、遠征と出陣の両方回せると思って」
なるほど。主は効率重視か。
出陣となると手入れもするだろうから遠征資源は欲しい。特に玉鋼。
「それに、報酬も貰えるんです」
「どれくらい貰えるの?」
「こんのすけ」
「はい主さま!」
日課や月課任務があるのはここでも同じようだ。
ぽんっと現れたこんのすけが空間に映像を出した。
未来技術すごいな!目は光ってないけどスターウォーズみたいだ。
You are my only hope.懐かしい!
密かにテンション上がったのは内緒。映し出された報酬一覧表。
確かにこの量なら報酬は欲しい。
骨喰の提案も一理あるけど、どの道出陣するなら手入れ資源がかさむし。
太刀は資材食うし……。
「結構貰えるんだ…」
「これなら遠征も回した方がいいかもしれない」
「1部隊から一振り削って遠征に回す手もあるが…」
「次の戦場に進むなら六振りで連携を取れるようにはしたいな」
一度案が出てしまえば話し合えない事もない。
主も自分の提案が全否定されない、それどころか好意的に受け止められたことにホッとした顔をしている。
骨喰が一度真逆の提案をしたから、否定されるかもしれない自分の意見を言うのは怖いかもしれないが大切なことだと分かってくれるといい。
現にもう一振り顕現の方向で話はまとまりかけていた。
「み、皆さんがこんなに積極的にお話をー!」
とりあえず、こんのすけはその涙拭け?