本丸とは現世と隔離された特殊な空間に存在しており、
それぞれの空間に一つの本丸とされている。
つまり本丸に住んでいる審神者は唯一の人間であり、ほかの人間と交流を持つことは難しかった。
いくら刀剣男士がいてもそれは刀剣男士であって、人間ではないので人間の全てを理解する事は出来ず、小さなすれ違いや価値観の違いなどなど、塵も積もれば山となるもので。
詳細は省くが、『ブラック本丸』と呼ばれる俗称の元であるブラック企業も真っ青な運営をする本丸が問題になった。
これの改善策の一つとして演練や本丸必需品以外も買い物できたり遊んだりできる通称『万屋街』と呼ばれる特殊な街が作られた。
「いらっしゃいませ。
よろず占い処クロハ屋へようこそ」
これはその万屋街にある、ちょっと不思議で快活な店主の営む、謎めいたよろず屋の話である。