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「あかん、どうやってお近づきになればええんや」
「まず、フルネーム呼びやめてもらいなよ」
「っは、せやな。どやって呼んでもらおう…」
「なんやねん、こいつ。変に恋にうつつ抜かしおって」

失念していたが彼女はずっと、自分のこと“宮治”と呼んでいる。そこをまず治と呼んでもらうようにトークを始めよう。そう思いトーク画面を開く。
少し考えつつ、こんばんは。から始まり今日の試合のこと、梟谷と当たりたかったこと、ついでに自分の名前のこと、長すぎず短すぎないくらいで送りたい文面は何度も見返して名前さんに送信する。



「なんや、緊張するなぁ」
「お前、ほんま、彼女おらんかった童貞みたいな顔しおってハツコイか」
「そうかもしれん」「嘘じゃん」
「治も侑もなんや、実は初恋おそいんやな」
「うっさいわ!銀!おまえはどうなんじゃ」
「小学校の時やなぁ、」

銀の話を右から左に流しつつ、彼女からの返事をまつ。
もう自宅だろうか?まだ帰宅途中だろうか?はたまたチームメートとご飯を食べているのだろうか。
時計の針はすでに19時を回り俺たちは飯をすましに食堂に向かう。

「今日も飯うまいなぁ」「お前ほんまなんでも旨そうに食うな」

当たり前だ。飯はなんでも美味いに決まってる。と答える前にケータイがなった。画面にはお疲れ様!ゆっくり休んでね。私はこれから3年生でファミレスでご飯してかえるよ。と言う文面ときっとファミレス内
でのジャージ姿での写真。写真の中の彼女も昨日と同じく頬を膨らませておいしそうにご飯を食べている。


「木兎やないか。なんや治、梟谷に知り合いあったらか?」
「マネージャーを昨日ナンパしました」


アランくんに素直に話してやるとお前、あの短時間に何してんねんと冷静なツッコミを頂いた。

「やって、めっちゃおいしそぉに食うんです、この子。なんでも多分美味しい、って言うて…」
「お前はそう言う子好きなんやな」


正直、今まで彼女だって数人やけどいたことあるし、バレーとめし優先してふられているが。
今までの奴らはめし食いに行くとやれダイエットだとみんなあまり食べなかった。


「美味そうに何も気にせんと食べてるのがほんまにかわええ」

周りがどんな顔してるか、なんとなく想像できるがもう気にしないでおく。
彼女へ送るメッセージに自分もめしを食べていること。楽しそうだということ。他に少しを連ねて送る。

数秒後折り返しの連絡があり、このファミレスのこのご飯がうまいと教えてくれた。今度行っておいでと。

「そこは一緒に行こうとかじゃね?」
「みんなや角名」
「いやもういいだろ」

角名の言う通りその後今度連れてって欲しいと言う旨を彼女に伝えた。その返事には私がそっちに行く時か治くんがこっちにまたきた時だねと書かれていた。
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