01
パロマは宙に浮かんでいた。そこは無限に続く透明な世界。




上も無く下も無い、何処までも何処までも無色だった




涙も枯れ果てたパロマは一人、無の大海の中をクラゲの様にたゆたう。




力尽きて自分さえも透明になってしまったのか。









すると、パロマの遥か上空と思われる場所に突如光の粒子が集まり出した。
あまりの眩しさに顔を手で隠すと、透明だと思っていた自分の身体はちゃんと自身を保っていた。急に意識がハッキリして、身体を起こす。
眩い光のカケラ達は、キラキラ輝き一か所へと目指していく。それを目で追っていると、
集まった光がはじけ飛び、そこにはこの世界に迷い込んでから多くを語り合った1人の男性が立っていた。神秘的な容貌は光を纏い、彼の暖かい眼差しがパロマに向けられる。





―――パロマ、よくぞここまで辿り着いた。





澄んだ声が何も無い世界に浸透する。パロマは彼から目が離せなかった。いつもの彼とは、纏った空気があまりにも違って見えたから。


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bkm


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