「 ボスっ!!!! 」
入り口に立ったブラッドに向けて、パロマは大声を張り上げた。パロマが犬だったら、尻尾を全力で振りまくっていただろう。
涙腺が緩んできたパロマは、助けを求める為に彼の方へ出来る限り両腕を伸ばした。
すると、
(―――ん?)
パロマの予想に反して、ブラッドはスッと手のひらを見せて、
『ストップ』の合図を送ってきた。
「ちょっと待て。―――ブッ、何だお前その格好は。」
しげしげとパロマの忍者姿を眺めて、手で口許を覆い笑いをかみ殺している。
―――ええ、そうでした。貴方はそういう人でしたね・・・・。
笑うタイミングもへったくれもありはしない。
パロマは誰も信じられなくなり、不貞腐れてゴロゴロ転がりたくなった。