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「もっもしくは街の専門店へ行って、隅から隅まで探してきます!!私で出来る事があったら何でも致しますので、どうかお怒りを収め」
「収められるか!!この狼藉者め―――!!!」
ついにビバルディの雷が落ちた。
ビバルディの後ろに控えた二人の兵士が、パロマの勇気ある謝罪に「よく頑張った!」「偉かったぞ。」とパチパチパチと小さく拍手を送る。しかしすぐさま女王にギロリと睨まれ、真っ青に青ざめ今度は5歩程脅えて後ろに下がった。
「おぬし、それだけわめけば、最早思い残す事もなかろう!そこに跪き首を差し出すのじゃ!!」
ビバルディが扇をピタッとパロマに向けて、死刑宣告を言い渡した。
カチンと固まったパロマは、自分に向かった冷酷な扇の先から、一縷の望みをかけてエースに視線を流す。
この窮地、もしかしたら助けてくれたりするのだろうか。
エースはパロマの縋る様な視線に気付き、元気付ける為に笑顔を送った。
「ゴメンネ〜。これでも俺、この城の騎士だからさ。陛下のおねだりには弱いんだよ。でも大丈夫!痛みも気付かない位、一瞬で楽にさせてあげるから。」




(駄目だ、この人。)




パロマは、さも自慢げに利き腕の力こぶをトントンと叩く彼から、二度とお願いなんてするかと視線を外した。
彼が頼りにならない事は、森で狼に襲われた時から分かっていたではないか。パロマの心に空っ風が吹く。




やはり自分の命は、自分で守るしかない。




パロマは跪きはせずに、4人から瞬時に距離を取った。
パロマが後方へ飛び退くと、兵士二人がビバルディ前に出て、彼女の守りを固める。エースはそんなやり取りをしれっと眺めていた。
パロマは少し身を屈めて、そして・・・


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bkm


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