04
「いやぁ〜、女の子を身体張って守るなんて、騎士の中の騎士って感じだな。」
(手を離さなかったのはそういう見解だったのね!!!!)
パロマはあまりの衝撃で身体がブルブル震えだした。
「そんなに震えて・・・君には怖かったよね。これからは俺がいるから大船に乗ったつもりでいて良いぜ!」
彼は晴れ晴れしく自分の胸をドンと叩いた。パロマはもはや気を失う寸前だ。
「それにしても〜・・・ここはどこだ?」
「・・・・ホントにどこなんでしょうか・・・。」
深い木々が日光を遮り、魔女でも出そうなほど鬱蒼としていた。
せめて太陽で方角が分からないかと上を見上げたパロマだが、太陽を探すどころか急に辺りが真っ暗になった。本当にツイていない。時間帯が夜に変わった様だった。
度重なる不運にパロマは愕然となり、地面にひれ伏す。少しの間そうやっていじけていると、傍でシュッと火を灯す音が聞こえた。
なんと、エースが即席で焚き木を作って火を付けようとしていたのだ。即席と言っても、回りを太い木で固定し、ちょっとやそっとでは崩れない仕組みになったしっかりした作りだった。パロマがいじけてウダウダしていた数分余り、彼は夜の森対策へと身を投じていたのだった。時間を無駄にしない行動力と迅速さは王族を守る騎士の心得なのだろうか。
「夜の時間帯は動きようがないだろ。時間帯が変わるまでは野営にしよう。」
「・・・え、野宿するんですか?ここで?」
「あぁ、外で寝起きする訳じゃないよ?ちゃんとテント持ってきているから。」
焚き木は一発で火が燃え移り、メラメラと辺りを照らし出す。慣れた手つきと用意周到なエースにパロマは驚きを隠せなかった。
「エースさんってすごいですね〜!何だか旅の上級者みたいです!!」
「そうだろ〜?何てったって人生の大半は森で過しているからなぁ。どんな動物に遭遇しても生き残れるって自信があるぜ。」



―――お城の警備は?!?!?!




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