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英太の元に戻ると、英太は泣きそうな顔をしていた。
泣きそうな顔、可愛い。とかちょっと思ったりしちゃって少し申し訳なくなった。

「英太、もう大丈夫だよ。話はつけてきたから。」


そう言うと英太は俺に抱きついてきた。
今まで何度か抱きつかれたことはあったけれど、今は違う。
しがみつくように、俺を抱きしめる英太。
少し震えている。

「キサキぃ…」
涙声でそう言った英太を俺は優しく抱きしめた。
このくらい、許してくれるよな。



よっぽど怖かったのか、英太が泣き止むまで少し時間がかかった。
「キサキ、ありがとな。」
英太はそっと笑った。
その笑顔は今まで見たどの笑顔よりも可愛かった。



「キサキにめいわくかけてばっかだな、俺。」
ぽそりと呟く英太に俺は、大丈夫だよ、好きでしてるんだから。とにっこり笑って返した。
英太は俺が笑うと少し怯む。
だから、続けた。「英太のこと、大好きだからね。俺は。」冗談じゃないよ、と付け加えて、顔を赤くして呆然とする英太を置いて、帰った。


雰囲気に流されて言ってしまった告白の言葉。
好感触だったな、とひとりごちた。



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