(捧げ物)七尾さんへ(委員長×会長)A





ゆっくりと東野の手が、先程まで先端から黄色い液体を垂らしていた屹立を刺激する。それは過度に微弱で、まるで、先程発した言葉を確かめるかのような動きだった。が。やはり男として、弱い刺激には、片目を瞑ってしまうし。

「・・・っあ」

そりゃあ好きなところを触られれば、声も漏れて・・・って。

・・・待て待て待て!

山科はは?という呆気に取られた表情で、何故か扱かれる自身と、変わりなく美丈夫ともてはやされる、男らしいその東野の顔とを交互に見つめる。そんな山科に、東野はん?と惚けた顔で、大衆に向けるいつもの爽やかな笑みで、山科にどうかしたのかと表情で尋ねて来た。

「お前、なんで、さわって」
「さっき俺、お前に形綺麗だなって言ったけどな。そんなモン勃起した状態じゃねえと、しっかり確かめようがない、から?」

何だその用意されていたかのような台詞は。
と、ドン引きした瞳で東野を見つめていると、東野の手は少しばかり反応を示し始めた山科の自身に、張り詰めきるまでの時間を加速させるように刺激を与えていく。気づけば逃げられないように、なのかはわからないが、東野が立っている側とは反対側の山科の方は東野の左腕にがっしりと抱き寄せられており、ふわりと整髪料のその身に似合う爽やかな香りが山科の頭に浸透する。今自身を扱いているのは自分ではなく、東野なのだと言い聞かせるかのように、敢えて耳元に唇を寄せられ、重低音で「気持ち良いか?」なんて囁かれれば、腰が引けてしまう、も、そりゃあ体制的に後ろに居るのは東野で、思わず身を預けてしまい、内心で焦った。

「お、い・・・っ、」
「お。・・勃ってきた」

楽しげに笑う声が、吐息が近い。
近すぎて、恥ずかしい。

「色も綺麗だなあ、山科の」

語尾にハートマークでもつけているのかと思うぐらいに、甘ったるい声で、東野は山科の耳に言葉を吹き込んでいく。その言葉ひとつひとつから微量ながら山科が快楽を得ていると知っているのか、見えないところで嬉しそうに笑いながら、どんどん山科の理性を追い立てていく。
当の山科といえば、突然の刺激と、自分の感じるところをまるで熟知しているかのような東野の手の動きに、咄嗟に、壁に手をついて。もう片方の手では、口を抑えて。例えどんな屈強な男の仁王立ちでも、屹立を扱かれながらでは脚も震えてしまうというものだ。

「っ・・・・は、ふざけ、てんのか、」
「辛いなら支えようか?大丈夫か?」
「おい、」

ぐっと、腰抱かれる。突き出すように身体は沿って、東野の胸に、身体を預けるような姿勢に山科は苛立った声で、やめろと注意するも、東野は別に遠慮しなくていいと言う。そういう問題では、無いというのに。
振り払おうと腰の手を掴んでみても、こんなにがっしりと掴まれては山科の手は添えるだけ、になってしまっている。チッと舌打ちを漏らして、ならこっちの手を止めさせりゃ、と自身に刺激を与えている東野の右手に触れると同時に、扱きに耐え切れずに垂れてきた先走りを、山科の弱い部分である先端に親指の腹でこすこすと塗りこむように撫でられる。途端に山科はビクっと腰を跳ねさせて、抵抗するために伸ばした手はきゅうと弱々しげにその腕に掴むに留まってしまった。

「ひ、がしの」
「ああ、ココ、弱いか」

またもや嬉しそうに耳元から声が聞こえてきた。
次第に大きく響く水音は、授業中であることも相まって、程よくトイレの中に反響している。

「触るな、・・ッ・・おい・・・」

はあ、と吐く息がアツい。湯気がでているのではないかと疑ってしまいそうなぐらいに、山科の背中と密着する東野の体温からも、ロクでもない熱が溢れ出している。その片鱗か、時折、耳元で笑う東野の声に色気が含まれていて。

「・・良いな、ホント。ほら、遠慮しなくたって、いっぱい扱いてやるから」
「な、あ、・・・・っ、(・・・ヤ、ベ、)」

何度も上下に扱いては先端を、との行動を繰り返されて、でちまいそう。と滑り気に包まれた自身を思った。せめてもやめて欲しい、との拒否の念を、東野の程良く腰にずり下げられたスラックスの少し上のカッターシャツを握り、主張してみるも、東野はそれをゴーサインと取ったのか。こんな事を口にした。

「なあ。イきそう、って、言ってみろよ?」

ゾクゾクと背中を駆け抜けるような低い声で、頭に直接吹き込まれれば、別段耳が弱いわけでもないのにその気になってしまう。
山科は、あ、と情けない喘ぎを一つ漏らしてから、カッターシャツを握っていた右手をさらにぎゅうと強く握る。
今すぐにも達してしまいそうだ。張り詰めきった自身を、東野は肩口から顔を覗かせて、しっかりと目に焼き付けている。上下する度に泣く先端も、東野の愛撫で張り詰めてパンパンになった、色と形が良いと噂されるという、その全体像も、全て。
そんなことを考えればキリがなかった。性欲を掻き立てられるような事象があまりにも多くて。何より羞恥心も相まってか、授業中、学生の本分であるはずの勉強をサボって、トイレで痴態を晒す。今ココで達してしえば、はてなく気持ちが良いのだろうと。

「・・・っ、イ、く」

びくびくと腰が跳ねる。前方に身体を預ける場所もないので、後ろの東野に背は預けたまま、せり上がる射精感に身を任せて、僅かな喘ぎを漏らしながら東野の手に白濁を吐き出す。
緊張が解けてかくん、と腰が抜けた山科に、東野はよくできました、とあやすように囁いたのだった。











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