ホワイトデー

どうしようかねい……。
手元にある包みを見ながら、マルコは思案していた。
手元の包みは可愛くリボンでラッピングされている。
バレンタインデーにはサッチからの愛情のこもった特別甘いチョコレートケーキを貰った。
いつもはお返しなんて考えたことも無かったが、先日降りた島ではホワイトデーの宣伝が大々的にされていてうっかり雰囲気に呑まれて買ってしまった。
…柄にもない。
今まで渡していなかったのに急に渡すのもなんだか変な感じがしてしまう。
「やっぱり止めとくかねい」
「何をだ?」
!!!
「どうした?」
「おっ、驚かすなよい」
とっさに包みを背後に隠す。
「わりい、わりい、一応声かけたんだけどな」
集中してたみたいだから……、
そう言って、にかっと笑う。
「クッキー焼いたんだ、食べるだろ?」
そういって手元の皿を見せる。
どうやら包みは気づかれなかったようだ。
ホッとしたのもつかの間、
「ところで後ろにあるのはなんだ?」
!!!
「なんでもないよい」
「そんなに可愛いラッピングしているのにか?」
気づいてたのかよい!
「俺のだろ?」
「……」
「あ?違ったか?他に渡す奴でもいんのか?」
「そんなわけねえだろい!」
「だよな」
ハハッと笑う。
「ありがとうな、マルコ」
包みを持ったマルコの手をとり、サッチは囁いた。

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