「い、いやいやちょっと、待ってまって」

未だ粘るカイジに、アカギは視線を合わせて追い討ちをかける。

「…嫌なの」
「いいいいやじゃない!!」
「じゃあどうして。我慢しなくて良いって言ってるのに」

全く引かないアカギの様子にカイジは頭を抱える。
アカギの吐いた煙が、カイジの顔にかかった。
カイジは眉をしかめながらも口を開いた。

「…おまえ、色々あっただろ…その、襲われかけて逃げたり…とか…」
「ああ」

アカギはそれが何か?とばかりに顔色を全く変えない。アカギの中では既に過去の事として整理しているのだろうか。

「だから…その、その」
「だからなんなの」

灰皿に煙草を押し付けたアカギは、カイジにずいっと顔を近づける。カイジはびくりと身を引いたが、そのぶんアカギが寄るだけの話で、一向に距離は開かなかった。終いにはほとんどアカギがカイジに乗るくらいまで間合いを詰めた。
アカギは暫く黙ったあと、ゆっくりと言った。

「…俺はカイジさんにならされたっていいって言ってる。寧ろしてほしいくらいの」

アカギの顔は紅かった。
この、
ぐいぐい来た割には土壇場で恥じらう、意味不明さとかが。

「…たまんね、」

カイジにとっては効果覿面のようだ。

カイジはアカギを抱き寄せてごろりと寝転び、身体の上に乗せた。そのままアカギの唇を優しく食む。

「触って良いって言ったのはそっちだからな」
「…はやく」

アカギはふいっと視線を逸らした。散々迫っておきながらこれだ。このギャップがカイジを狂わす。
背中に回した腕をごそごそと動かし、アカギのシャツの中に手を入れて滑らかな腰をなぞった。

「肌ざわりいいよなあ」
「ん、そうかな」
「触って良いの俺だけな」

カイジさんのくせに、とアカギはまた少し紅くなった。

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