小説 | ナノ




あれからものすごい数の修理を頼まれる。
一応科学者だし、研究とかしたいんだけどな…
あっ、そうだ査定とか私どうなってるのかな…まぁ今大佐がいい位置にいるしなんとかなってると願いたい…



「はい、直したよーキャス」


「おお!ありがとな!トリシー!」


暑いねー、と言いながらお風呂でも入ろうかと髪を縛っていた紐をとく。



「(ゴクッ…)/////」


「キャス?どうかした?」


「トリシー…お前すっげえエっぶ!!?」


「おい」


隈男がキャスの言葉を渡るだけじゃなく、刀の鞘で思いっきり叩きつけながら話しかけてきた。


「えっ、なに?」


「風呂入りてえだろ?ついでに部屋も案内してやる。」


「えっ!ほんと!ありがと!」


ニコッと笑えば何故か、ぼすっとモフモフの帽子を被せられた。
キャスには申し訳ないけど、放置していく事にした。



一方残されたキャスは


「いってぇ…
船長、まさか本気なのか…?」



ーーーーーー




「ここがお前の部屋だ」


「って、どう見ても船長室ですけど!?!」



あ?当たり前だろ?と言いながら、ドカリと椅子に座る隈男。



「いやいや!どこで寝るの!?」


「ここだが?」


なんの問題がある?と何も考えていない隈男に、アホらしくなって意識するのをやめた。
そう、そうだよ。だって向こうでだって、ロイとかエドとかハボックとかと雑魚寝してたじゃん。今更気にする事もない!
そう自己完結して、荷物を整理した。



「キャプテン!!敵襲だ!」



ドタバタと走る音が聞こえ船長室に飛び込んできたペンギン。
敵襲の言葉を聞くとニヤリと笑う隈男。
嫌な予感しかしない…



「よし、新人。手始めに沈めてこい。」



「マジっすかー…」



甲板に出ると、まだ少し遠いが中々大きい海賊船が見える。どうやらこの船の行事らしく、クルーはニヤニヤと笑って見ている。



「トリシーー!、頑張れよ!」


「危なかったら助けてやるよー!」


「…女だからって甘くみやがってこんにゃろ…」


軍人の為か、女だからとナメられるのは嫌いだ。
クルーが騒いでいる中で、お前はかなり時間かかった上に船長に迷惑かけてたよなぁーとキャスがいじられているのが見えた。




「何?時間とか計ってんの?悪趣味…」



「まぁそう言ってくれるな…海賊なんてそういうもんさ。」


ペンギンがそうフォローする。
しかし時間計ってんのか…ニューレコードとか出したら、私の見られ方も変わるのかしらね…面白そう



「まぁでもそういう勝負事嫌いじゃないわ…」


「…へぇ」


「ちょっとその双眼鏡貸して。」


そう言って近くにいたクルーから双眼鏡を奪って、見る。
んんー、この距離届くかなぁ、ま、いっか。
海だから湿気多いけど、あれが一番楽だし。
スッと、手袋をはめている方の手を敵船に向ける。



「何する気だ?」


「…まぁ、見ててよ。一瞬かもしれないけど」


そう言って狙いを定め、指ぱっちんする。
錬成時独特の光が飛び、敵船へと当たると…



ボカァアアン!!!!



一瞬にして大破した。



「あー…やっぱ難しいんだよなぁ、この調節…」


「オイオイ…マジかよ、一撃…?!!一瞬…!?!」



すげー!!すげー!と騒ぐクルーを放って、目を見開いていた隈男を前に立つ。



「お気に召しましたか?キャプテン?」



「…フッ、上出来だ」



今のも錬金術ってやつか!?俺にも出来るか!?と聞いてくるキャスに無理だと思うと一蹴すると落ち込んでいた。








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