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「修理屋だ。捕まえてきた。これから仲間になる。」


「ならないってば隈男!」


「キャプテンだ。」


「いや意味わかんないんですけどキャプテン…」



隈男に船に連れてこられると、そのままベポちゃんに両手を持たれ、ぶらーん状態で会話する。ペンギンと帽子に書いてある男は、おそらく船員代表なのだろう、恐る恐るといった感じで隈男に意見する。



「船に大工はいねえだろ?街に出たらこいつが修理屋だって話を聞いた。」


「まさかそれだけの理由で仲間にしたいの!?それに別に修理屋じゃない!」


「キャプテン!せめてもう少し考えてから、行動してくださいよ!大体こいつは何者なんですか!」


修理屋。とだけ答える隈男。そんな答えじゃ絶対みんな納得しないぞ…と思っていれば、やっぱり抗議の声が上がる。


「わかった、わかった。じゃ、ほら自己紹介しろ。」


「やだよ、仲間になんてならないもん」


「はぁ…何が不満だ。」


「一人旅がしたいからイヤ」


「この大海賊時代に一人旅だァ?無理に決まってんだろ。大体お前船は?」


「別に私強いし。ないけど?」


その言葉に不信感を抱いたのか、いきなり海水をぶっかけられる。



「!?ぶはっ!?なに?!いきなり何すんの!?」


「能力者じゃ、ないな」


どうやら海水をかけて能力者かどうか確かめたかったようだ。
マジ人間としてありえない、一刻も早くここから去りたい…
そんな思いを察したのか、いきなり剣を振り下ろす隈男。




「!!?!ちょっ…!?」


パンッ!!
ガキン!!


「「「!?!」」」


「あ。」


咄嗟の判断で思わず錬金術を使ってしまい、私の目の前には、私がこの船の素材から作った鉄混合の壁があった。



「へぇ…お前やっぱ面白いな、今何した。」


「(しまった…ついやっちゃった…もういいや)はぁ…錬金術だよ」


「レンキンジュツ…?」


「錬金術の基本原則は、等価交換。何かを得るためには相応の対価が必要で、等価交換の法則です。それに基づいて「理解」「分解」「再構築」の理論で成り立ってるの。物質の構成を理解し、それを分解し、新たな形で再構築するというものかな。まぁ実際そんな簡単なもんじゃないんだけど、大体おおまかな原理やらはこんな感じで、今私がこの壁を作ったのは、この船の一部からちょっと素材をもらったんで、ちょっとかけてるところとかあるかも。
一定量のものからは一定量のものしか産出できません。そしてこの甲板の成分やらを理解し、分解して再構築したの。どうかな?理解出来た?」



おそらく理解出来たのは、隈男とペンギンって帽子被ってる人だけかな…ベポなんてもはや寝てるし。



「その錬金術というのは、なんでもできるのか?」



「(頭いいなこの人…)……禁忌はある。禁忌というか、国家錬金術師の三大原則ね。一、人を作るべからず。二、金を作るべからず。三、軍に忠誠を誓うべし。この原則の中で上二つは禁忌とされていて、人を作る…人体錬成は最大の禁忌ね…。」



「国家錬金術師?」


「えーと、まぁ軍人ってところかな。」


「!!軍人…!?!」


まぁさすが海賊なだけあって軍人と言われれば警戒するよね。
やっぱりやばいですよこいつ!だのが聞こえる。



「今の話から大体わかったかもしれないけど、私この世界の人間じゃないのよね。
で、もう4年くらい帰れてないからきっとその国家錬金術師の資格なんて剥奪されてるわ、どうせ。」






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