小説 | ナノ
「なぁ、どうなったと思う?」
「あれから出てこないし、怒鳴り声も聞こえねーな」
「俺はくっついたに千ベリー!」
翌朝食堂では、昨日船長室へ消えたローとトリシーの話題で持ちきりで、
恋人になったかなってないかで賭けが始まっていたところだった。
ガチャ、
「「「!!(ビクッ)」」」
「おはよ〜、…?みんな?どしたの?」
船長かと思い身を固めたクルー達だったが、トリシーでホッと安堵した。
「い、いやなんでもねーよ!
それより昨日は怒られなかったか?」
「そ?
うん、まぁちょっと怒られたけど大丈夫。」
バラされなかったのか!!さすがに惚れた女は切れないか!とみんなの心が一致した。
「すげーな!さすがトリシー!
それとよ、聞きたいことがあって〜」
「ん?何〜?」
「あ…!!!」
1番近くにいたシャチが、トリシーを肩を組んだ瞬間、他のクルーには肩を組んだ際にずれた衣服の隙間から赤い痕が見えた。
尚もシャチは気付かず話始める。
「シャ…!」
ガンッ!!
「え」
「おい、何してるシャチ」
勢いよく顔横に突き付けられたのは船長の愛刀だった。
なんだろうデジャビュ。
「ロー?!ちょっと何して…!」
「"ロー"!?!トリシーいつの間にキャプテンを呼び捨てに!?」
「うるせえ黙ってろ、
トリシーは俺のもんだ、触んじゃねぇ」
「"俺のもん"!?!とうとうくっついたんスか!?!」
展開が早過ぎてついて行けないクルーが叫ぶ。
すると、キャプテンはトリシーの腰に手を回した。
「きゃ!?」
「トリシーは俺の女だ、てめぇら手ェ出すんじゃねぇぞ」
「「「……」」」
「…?おい、」
「「「キャプテンがトリシーを落としたァアーーーーー!!!!」」」
「「!?」」
お披露目したと言うのにリアクションの無いクルーに、一抹の不安を抱いて声をかけると、めでてえ!!赤飯だ!だの宴だー!!だのと叫び始めた。
「…赤飯って、俺はガキかよ(笑)」
「みんな大袈裟ね、結婚したわけじゃないのに。ふふっ」
「…なんだ?まだ足りなかったか?孕ませてやってもいいぜ」
「なっ?!やめてよ、戦えなくなるでしょ!昨日だって避妊してなかった癖に!」
「(そこかよ…)…ガキは3人くらい欲しいな」
「…お医者さんだもんねローは、子供の頭脳が楽しみだわ」
「そうだな、なんたって
医者と科学者のガキだぜ?」
最強ね、と笑いあう2人。
2人そっくりの子供が産まれるのはそう遠くない未来である。
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