小説 | ナノ




突然背後に現れ、私を抱きしめた人は赤髪のシャンクスさんというらしい。
マルコさんのセリフに赤髪?と首を傾げれば、えっ!?俺のこと知らない!?と大層ショックを受けていた。



「だーっはっはっは!!白ひげ!俺に、この子くれ!!!」


「グラララララ!!!やるわけねぇだろ、アホンダラァ!!!」



「これは一体…何が起きてるんだろう…」


とりあえず言うと、白ひげさん…エドワード・ニューゲートさんはそりゃもうデカかった…
これはエドが豆粒に見えそうだ…(おっと


赤髪さんに抱きしめた後、誰かが知らせた事でオヤジさんこと白ひげさんが現れ、現在宴となっているんだけど、さっきから2人はこの調子である。



「えー!!くれよ!!
な、トリシー!俺の船に来い!!」



「グラララララ!娘っ子、そんなアホンダラより俺の娘になれ!!」


「そりゃいいな!!オヤジ!そうしろよトリシーー!!」



上からシャンクスさん白ひげさんエースである。



「だから、私はハート海賊団なんです!どこにも行く気はありませんー!」


「グラララララ!意志の硬え娘っ子だァ、ハートか…あのルーキーのとこだなぁ」


「いいじゃねーかよぉ〜!ほら、呑め呑めー!!」


「んぐっ!?っぷは!な、なにこれっ…!度数たかっ…!」


その後すごい勢いで呑まされ、雑魚寝するように気絶してしまった。









ゆさっ、ゆさっ…


リズムを打つように揺すられ、揺籠の様な心地よさを覚えた。


「…んん、あった、かい…」



「!そうか?」


心地よさに思わず出た言葉に、返事が返ってきた事を不思議に思いながら、昨日の事を思い返す。

はて?昨日?いつの間に寝てた?


昨日は、白ひげさんとシャンクスさんと飲み明かして、確か最後にすっごい度数の強いのを飲まされて…!



あれ?じゃあ私は今どこに?



「お?起きたか?」



「!?!?ひっ」


目を開けると鮮やかな赤い髪とシャンクスさんのどアップ。
さらりと髪を撫でられる。


「綺麗な金糸みたいな髪だな、」


「っきゃぁああああ!!!?!!?」


パンッバチチチチチ!!


「!!?うおおお?!」



思わず叫び錬金術を使って箱を作り、閉じこもった。



「!!?(えっえっ!?何が起きてるの!?ここどこ!?っていうか、しまった…錬金術使っちゃった…!)」


「あいててて…!おーい、お嬢ちゃんすげえな!どうやってやったんだ?それ!」



「!!うぇっ!?あ、シャンクスさん!?ここどこですか!?」



「ああ、お嬢ちゃん寝てたもんな。ここは俺の船だぞー」


「ええ!あなたのせいでね!!って、船!?」



予想外の言葉に、錬金術を解きシャンクスさんを突き飛ばして甲板へと出る。

もう昼なのか、高く上がる太陽に広がる大海原。そこには白ひげさんの船らしき物はなく、ただただ、青い海が広がるだけだった。



「うっそ……」


「いててて、突き飛ばすなんて、ひでーなお嬢ちゃん」


「お頭…あんたまた、こんな若ぇ子拾って来て…ハァ….」


後から鮮やかな赤の髪を揺らして、出てきたシャンクスさんに飛びついて白ひげさんは?!と聞いてみたものの、欲しいものは奪う主義だからな!としか返ってこなかった。



sideーーー白ひげ船


その頃、ガッツリ飲まされたエースが起きたのはお昼の時刻だった。



「あれ?トリシーは?」


「んん?確か部屋に…」


「いねえな」


「あれ?赤髪の船もねえぞ…!」


「あ、あ、あのクソ髪〜〜〜!!!!」



「グラララララ!!やってくれるぜハナッタレが…!!!」


突如消えたトリシーに驚き、シャンクスに激怒していた。




「そういえば聞いてなかったな、名前なんてんだ?」


「お頭…知らなかったのに攫ってきたのか…!?大体あんたは…!」


シャンクスさんのセリフを聞いたベックマンさんは、白い髪を靡かせて溜息を吐き説教を始めたが、その説教を止める様に割り込んだ。







「紹介が遅れたわね、トリシー・エルリックよ。シャンクスさん、トリシーが名前ね。」



「へえ!トリシー…トリシーかぁ!」


「ちなみにそんな"お嬢ちゃん"なんて呼ばれる歳じゃないわよ?」



私の言葉に、え?じゃあ一体何歳なんだ?と固まる2人。



「一応24歳なんだけど、見えない?」



「…24…?!」


「全然アリじゃねえか!!」


「無しに決まってるだろお頭」



アリだナシだとぎゃあぎゃあ言い合いする2人を置いて、とりあえずエースがいないのならここにいる意味もない。実験は晴れて成功だったのだし、帰ろうと錬成陣を甲板に書き始める。


パシッ


「え」


「こーら、なにしてんだ」


もうすぐ書き終わるといったところで、チョークを持つ手を止められた。



「?何かの紋章か?」


「お絵描きにしちゃガチ過ぎるな」


「何かの技か?」


「……ええっと、これでまぁ船に帰るんですけど…」


そういえばこの人、ぱっちん錬成見てただけで錬金術の話教えてねえや、めんどくさ。



「え!?これで!?そのハートの船に帰れるのか!?」



「ま、まぁ。そういう術なので。」


「じゃあ帰さな〜〜〜い」


「コラァア!」


子供の様にゴシゴシと服の袖で陣を消していくシャンクスさんに怒鳴る。
錬金術の考えを教えようとしたが、難しい話は苦手らしく聞こうとしなかった。






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