木春


「こーぐっれっくーん!!」
「ん?何?」
「ハイっ!これあげる!」
「は、何――」

春奈はご機嫌な様子で木暮を呼ぶと木暮の頭に何かを被せた。

「――音無、」
「ん?何?」
「お前馬鹿にしてんのか」
「え?なんで?」

木暮はふるふると震えながら春奈に聞くが春奈は相変わらずにこにこしていた。

「お前俺をいくつだと思ってんだ!中学生にもなって新聞紙で作った兜頭に被らせて喜ぶ奴なんてどこにいんだよ!」
「い、いいじゃない。似合ってるんだから」

あまりの木暮の剣幕に少々やり過ぎたかな、と少し苦笑いしながら笑って誤魔化した。

「うっせー!今に見てろ!ぜってーお前よりでかくなってみせるんだからな!」
「あははー…まぁ楽しみにしてるわ」


(それが現実になるのはそう遠くない)


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