「じゃ…行くね」
「うん！…フェイ！…これからしっかりね！」
「…うんっ」

そう言うとフェイは病室から出ていった。


「あーあ、行っちゃった」

結局自分はあの人と出会って、あの人に恋をして、結婚して、今、自分の中にはフェイの命が宿ってる。

ここまではどのルートでも一緒。

けどここからの未来は変えるのだ。

雷門の皆達と別れてから今まで以上にサッカーにのめり込み身体を鍛えた。

愛しいあの子に会う為に。

「うち、頑張るからね」

だから忘れないで。

あなたが愛されていた事を。

うちも、アスレイも、あなたが生まれる前から、この身体にあなたの命が宿った瞬間からあなたを愛していた。

「今度こそ、絶対悲しい思いはさせないやんね」

だから次会った時には『お母さん』て呼んで欲しいな。

(怖くなんかないよ、寂しくなんかないよ。だってこの別れは少しの間だけなんだもの)




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