Novel | ナノ


▽ Orion(椿梓棗)


梓がチョコを手作りするらしい――

この情報を内密にキャッチしたのは、バレンタインの一週間前。
普段は俺と同じく料理なんてほとんどしない梓がバレンタインのチョコを手作りする。
これは俺のために作ってくれるに違いない。
ついに俺を選んでくれる気になったに違いない!
も〜梓ってば、わざわざバレンタインデーに選ぶなんて本当にかーいーんだから★とウキウキしながら、でもそれを極力出さないように我慢して過ごしたこの一週間。

そしてやってきたこの日、二月十四日バレンタインデー。

俺はいつもより少しだけ念入りに髪をセットしてブーツを履く。立ち上がって玄関横の鏡を見た。よーし今日もかっこいーぜ俺。
さあ梓、頬を桃色に染めながらか俺にチョコを渡してくれ! なんならちゅーしてくれても構わないんだぜ!

…ガチャリ

しかし、意気揚々と開けたドアの音が今日は俺のしか聞こえなかった。
いつもならシンクロのように同時に開く梓の部屋のドアが今日に限って閉まっている。
あれ? 俺、気持ちが早まってちょっと早く部屋を出ちゃったかな?と腕時計を見てみるが、午前中から仕事がある日に出る時間と同じ。

今日に限って梓が寝坊か?マジか!?と自分の部屋の鍵を閉めて、梓のドアの前に立つ。
チャイムを鳴らす前にそっとドアに耳をくっつけてみた。しかし中に人のいる気配がしない。もし梓が中にいるならその気配を俺が感じない訳がない。

「おっかしーな…」

俺は首をかしげながらとりあえずエレベーターに向かう。
もしかしたら用があって先にダイニングへ行ったのかもしれない……ん?ダイニング?
そうか!チョコの最終仕上げは広いキッチンでやってるのか!部屋のミニキッチンじゃ細かい作業は作りづらいもんなー。なんだ、じゃあ急がないと。
俺は一人で納得して、エレベーターが五階に着くと逸る気持ちを抑えきれず早足でキッチンへ向かった。

そっと中を覗いて見る。

「あ〜ずさ……あれ?」
「なんですか椿?」

きょーにー自慢の広いシステムキッチンに、愛しの姿は無かった。
その主のきょーにーしかいない。

「…きょーにーだけ?」
「ご覧の通りですが?」

味噌汁らしき鍋をかき回しながら冷静に答えるきょーにーにあっそと答えると、俺はダイニングを通り越してリビングへと行った。

「あ〜ずさ?」

ひょいっとリビングを覗くが…そこには二つの人影しかない。

「おはようつばちゃん。あーちゃんなら来てないよ」
「あっくんねー、僕がこっちに来た時にちょうど出て行ったよ〜」
「出てった!?」

弥からの思いもよらぬ情報に、俺はショーゲキを受ける。
俺、まだ手作りチョコ貰ってないぞ!

「うん。あっくんおっきな袋持って出かけたよ〜」

大きな袋!? なんだそれは…チョコが入ってる袋か?

「どうしたの、つばちゃん?」

かなにーが不思議そうに俺を見つめるが、今はそんな視線なんてまったく気にならない。
俺はポケットからスマホを取り出すと、お気に入りに唯一入っている梓の番号をタップした。
一回、二回、三回と呼び出し音が鳴るが梓は出ない。

「どこ行ったんだよ…」

留守電に切り替わったところで一旦スマホを切ると、目の前の二人を通り越しリビングの端のソファーにドカッと座って頭を抱えた。
こんな朝から大きな袋を抱えて俺に内緒で出かけた梓。
これは、まさか…

「手作りチョコをあげる相手は…俺じゃない!?」

そんなバカな――

ありえない、けど今この場に梓がいないという現実。
俺は勢いよく立ち上がると、ただ一つ思い当たる場所へと走っていった。



******



梓がチョコを手作りするらしい――

この情報を風の噂で知ったのは、バレンタインの一週間前。
料理をする姿なんてほとんど見たことの無い梓がバレンタインのチョコを手作りする。
もしかしたら、万が一にももしかしたら俺にくれるのかもしれない。
そして、俺のところについに来てくれる気になったのかもしれない。
と少しだけドキドキしながら過ごしたこの一週間。

そしてやってきたこの日、二月十四日バレンタインデー。

いつもは髪型なんて寝癖を直すだけで終わりだが、今日は少しだけワックスで髪をセットして靴を履く。玄関横に掛けてある鏡を見た。よし、焦るな俺。
少し震える手でドアノブに手を掛けた。

もしもこのドアを開けたその先に梓がいたら、どうしようか。
笑顔だ、いや「どうしたんだ梓?」とあくまで普通に。平常心だ。
しかし、大きな紙袋を抱えて頬を桃色に染めて梓がこの先に立っていたら…俺は今日間違いなくそのまま会社を休むだろう。

…ガチャリ

吐いた息が一瞬で白くなるほど寒い屋外に出ると、その視線の先に――

「…梓!?」
「やあ、棗」

願望が蜃気楼となって現れたのか、それとも俺は実はまだ寝ていて自分に都合のいい夢を見ているのか…

目を丸くして口が半開きになったまま、俺はじっと目の前の梓を見つめる。
蜃気楼か実物かわからない梓は、俺を見てプッと小さく吹き出しすと一歩前に近寄った。

「ちょっと、なんて顔してるの?」
「あ、え…あの…」
「出掛けに悪いんだけど…」

ちょっと入ってもいい?と言うと同時に、梓の体が開いてるドアの隙間からすっと部屋の中に滑り込む。
いち早くその気配に気づいたつばきとあずさが梓の足元に飛んできた。

「やあ、君たちも元気そうだね」

梓は屈んで二匹の頭や喉を交互に撫でる。
それに嬉しそうにじゃれついたつばきが、前足で梓の持っている大きな袋をガリガリと引っかいた。
いいぞつばき。今だけはグッジョブだ。その中身を俺に見せてくれ!

俺はじっとその様子を少し離れた所から見つめていた。
しかし、期待とは裏腹に「こら、駄目だよつばき」と梓はつばきをひょいと抱き上げ、あずさを促してキッチンへと歩いていった。
ちくしょう、あと少しだったのに…

「何そこでぼーっと突っ立ってるの、棗」
「ああ、今そっちに行…」
「君はもう会社へ行く時間でしょ。早く行きなよ」

え…?
俺に用があるから、しいて言えば何かを…チョコをくれるからここに来たんじゃないのか?
そう決め込んで期待していた脳が梓の思いもよらぬ一言でフリーズした。口を半開きにしたまま梓を見つめる。

「何その顔。もう、早く行かないと遅刻するよ。帰る時は合鍵できちんと施錠してくから安心して」
「……ああ」
「ほら行った行った」

シッシッとまるで虫でも払うかのように手で追っ払われ、俺は「じゃあ、鍵頼むな…」と虚しく返事をして部屋を後にした。

俺にじゃなかったのか…
チョコは俺にじゃなかったのか――
俺を選んでくれるんじゃなかったのか〜!


******



「ふう、行ったかな…?」

窓から棗が駅へ向かう後姿を見て、僕は小さく息を吐く。
足元で構って欲しそうにくるくる回っているつばきとあずさに、持ってきた新しいおもちゃを見せて奥の寝室にポーンと投げた。二匹は喜んですぐに追いかけていく。
それがどうやら気に入ったのか、仲良くじゃれついて楽しそうに鳴いていた。きっとしばらくは夢中になって遊んでいるだろう。

「よし」

その様子を見てから、僕は持ってきた紙袋から透明な箱を取り出した。
台所の棚から小さなボウルを拝借して、それに中身を出す。出したのは細かく切ってあるチョコレート。

(切るまでは部屋のミニキッチンで出来ても、湯煎したら匂いですぐ椿が飛んで来ちゃうもんな…)

できるならあげるまではバレたくない。
手作りなんて初めてだから失敗するかもしれないし。完成しないかもしれない。

昨年までは買ってきたものをあげていたが、それだってそこら辺のものじゃなくて雑誌や口コミを調べて人気のあるものを選んでいたが、やっぱり気持ちを込めるとなったら手作りに勝るものはないと思う。

今年は僕の気持ちを伝えたいから――

しかし、今まで料理なんてほとんどしたことのない僕は、レシピはネットで調べられても実際に作るとなると思ったようにはなかなかいかなかった。
チョコを切る段階で時間が掛かり手の熱で溶かしてしまったり、切った後の保管が悪くてベチャベチャにしてしまったり、すでにこの一週間で何度も失敗している。

ようやく溶かさずに細かく切るところまで出来て、ここから先は自室では無理だと棗のアパートに来たのだけれど…
いくら合鍵を持っているとはいえ、主のいない時にこっそり入ってキッチンを使うのはさすがに気が引ける。

でも、棗にもこれは知られたくなかった。
だから会社に行くギリギリの時間を狙って来たんだ。

(とりあえず切るまではなんとか成功したけど、あとは形にしてデコレーションしないと)

失敗ばかりしている間に、気づけばもうバレンタイン当日。
猶予は棗が戻ってくる夕方まで。急がなくては。

僕はヤカンにお湯を入れ火を点ける。湯煎は確か四十度だったな。
どの程度で火を止めたら四十度くらいになるのかな…なんてしばしヤカンを見つめていると、アパートの外階段を勢いよく駆け上ってくる靴音が――

まさか…

僕のセンサーが反応する。
そして、そのまさかは大抵十割の確立で当たる。
今日もその確立を裏切らなかった。

ピンポンピンポンピンポーン!

チャイムが何度も押され、すぐにドアがけたたましく叩かれる。

「梓〜! 梓いる〜!?」

ドンドンドンドン!

あまりに勢いよく叩かれるその音にご近所さんが怒って飛んで来そうだが、今は出る訳には行かない。
幸い椿はこの部屋の合鍵を持ってない…はず。ならばこのまま居留守を装おう。棗は会社に行ってる時間だ。
僕は息を潜めてドアを見つめた。

(ごめんね椿、今はこのまま帰って)

ドアに向かってそう両手を合わせた瞬間、背後で突如鳴った笛の音。
しまった。途中で火を止めるつもりが、椿に気を取られている間に沸騰させてしまった。
それはピーーーッ!!!と、ドアを叩く音と同じくらいけたたましく鳴り続けている。逆にその音にドアを叩く音がピタリと止まった。

「梓? 梓!中にいるの!?」

再び叩かれるドア。背後では蒸気を噴き出し勢いよく鳴るヤカン。
ああ万事休す…と、とりあえずガスの火を止めて溜息を吐いた。

「梓〜! 梓ってばー!」

完全に部屋に人がいることが分かってしまい、このまま居留守を使おうものなら管理人や不動産屋を呼んできそうな気がする。
僕はチョコをいったん隅に隠して渋々ドアの鍵を開けた。

「あずさぁ〜!!!」

声と共に飛び込んできたのは、もちろん慣れ親しんだ銀の髪に同じ顔。
でも僕より少しだけ筋肉質な体に勢いよく飛び掛られて、その場に踏ん張りきれず二歩三歩と後ずさりした。
床に置いてあった紙袋をうっかり踏んでしまい、後ろに倒れそうになる。しかし、椿が咄嗟に体の向きを変えてくれて、僕はそのまま椿の上に倒れこんだ。
ゴツンと鈍い音がした。でも僕はまったく痛くない。代わりに椿が涙目で後頭部を撫でていた。

「いって〜…」
「ご、ごめん。大丈夫!?」

僕は慌てて上から退こうとするが、背中に回されている椿の腕に力が入り僕の体を離さない。

「どーして? 梓、どうしてここにいるの?」
「え…」

見つめた椿の瞳は拗ねている様な怒っているような、機嫌があまり良くない様子。
それもそうか。
今までこんな風に黙って家を出るのも、椿に対して居留守を使うのも初めてだから。

「ねえ、梓。答えて」

椿は自分の後頭部を抑えていた手を僕の後頭部に回す。
グイッと引き寄せられ、鼻先が触れそうなくらい至近距離になった。

「あの…椿」
「どうして棗のところにいるの? ここで何してるの?」

吐息が唇に触れ、いつもならそのまま椿のペースに引き擦り込まれてしまうのだが、今日はそこで矢継ぎ早に尋問が始まった。

「どうしてさっき居留守使ったの? どうして俺に黙って来たの?」
「いや…あの…」
「答えて、梓」

瞳の揺れが怒りから悲しみに変わる。
違う。椿にそんな顔をさせたかった訳じゃない。
僕はたまらずそっと顔を近づけ、すぐ目の前にある愛しい唇にそっと自分のそれを当てた。

「っ…」

椿の唇がピクリと震える。
でも変わらない。いつもと同じその温もり。落ち着くようなドキドキするような。
僕は心地のいい温度に少しの間浸っていたが、その熱も椿の腕によって中断された。
ゆっくりと顔が離されると、今度は椿が拗ねた瞳を見せる。

「駄目だぞー。こんなんで騙されないからな」
「…別に騙そうだなんて思ってないよ」

椿に腕を引かれて僕も起き上がる。
手を繋いだ状態のまま僕は椿を台所に連れて行き、隅に隠してあるチョコの箱を出してそれを椿に見せる。

「これ」
「…チョコ!?」

中身を椿が凝視する。そしてチラリと視線だけ僕に向けた。

「これ、手作り…だよな?」
「うん」
「……誰に?」

今僕を見つめる椿の瞳はドキドキしている時の色。不安もちょっと入り混じっている。
椿の瞳はよく話す口よりも実は雄弁だ。そんなところも愛しくて仕方ない。
僕はその瞳の奥までじっと見つめると、箱の中からチョコを一つ銜えそのまま椿に口づけた。

「んっ…」

二人の唇の熱であっという間に小さなチョコは解け、とてもつもなく甘い香りと味が口腔内に広がる。

「ふぅ…っ…ん…」

そのチョコの甘さを奪い合うように、そしてチョコを退かしてお互いの味を確かめ合うように僕たちの口づけが深くなっていった、その時――

「…おい」

慣れ親しみ過ぎているのか、まったくその気配を感じなかった。
気づけば背後に大きな影と低い声が。その声に引き寄せられるように奥から二つの影も飛んできた。

「…っえ!? 棗?」

唇を離して振り向いた時には、すぐ後ろに仁王立ちした棗が立っていた。
足元にまとわりつく二匹を抱え上げ眉間に深い皺を寄せている。口の端もピクピクと動いていた。

「お前ら人の家の台所で何してるんだ。鍵もかけないで」
「だからって覗き見なんて趣味悪いぞー」
「覗いてねぇよ。ここは俺の家だ。というか、なんで椿までここにいるんだよ」
「そんなの、梓がいるからに決まってるだろー」
「……」

棗は呆れ顔で溜息を吐くと、二匹を抱いたまま奥の部屋に歩いて行く。僕らもその後をついて行った。
猫たちをタワーに入れ、僕を真ん中にするようにテーブルの三辺にそれぞれ座ると二人が僕の方を向いた。

「そういえば、俺も梓に聞いてる途中だったよね」
「あ…」
「俺も聞いてないぞ、お前がどうしてここに来たのか」
「ええと…」
「「梓!!」」

二人に身を乗り出されるように名前を呼ばれ、とうとう観念した。
というか、さっき椿には見せてしまったのだから今さら隠してももう無駄か。
僕はポケットからスマホを取り出すと、ブックマークしてあったページを二人に見せた。

「これを――作って二人にあげようかと思って」
「え? 二人に!?」
「俺たちにってこと…か?」

その画面に映っていたのは、オリオン座の形のチョコレート。

目を引くような華やかなデザインでも、凝った味の珍しいものでもない。
板チョコを溶かして砂時計のような形にし、チョコペンで星をいくつか書くだけのシンプルなものだったが、僕はこれを見つけた時に心を奪われた。

どうしてもこれを作って二人にあげたいと思った。

「この星たちはメソポタミア文明の時代から三つ並んで輝いていたんだって」
「…へぇ」
「そうか…」

二人は微妙に納得がいかないというように少し首を傾げながら僕を見る。
僕はそっと二人の手を取った。
意を決して、今日伝えたかったことを口にした。

「椿、棗。僕は――二人が好きだ。二人がいないと駄目なんだ。どちらが欠けても僕は僕じゃなくなる…だから」

自分で言っておいてなんて自分勝手なんだろうと、今更ながら申し訳なさに涙が出る。
こんな陳腐な手作りチョコでそれを二人に伝えようなんて、傲慢以外のなんでもない。
「だからずっと傍にいてほしい」なんて完全に僕のエゴだ。
続きの言葉が声にならず二人の手を握ったまま下を向くと、その手が同時にぎゅっと握り返された。

「んーメソなんとかはちょっと分かんねーけど、大昔から三つは一緒だったってことだな」
「どれかひとつでも欠けたら成り立たねぇってことか」

僕は恐る恐る二人の顔を交互に見る。
そこには今までで一番優しい顔があった。

「で、これを俺たちに?」
「……うん」
「そうか。三人一緒の証か…」

二人は僕のスマホに写るオリオン座のチョコをマジマジと見ながら微笑む。
そしてそのまま立ち上がり、僕も二人に促されるように立つと三人で台所に向かった。

「よーし、これを三人で作ろうぜ!」

椿が意気揚々と腕まくりをしてみせる。
その姿にまた少し涙が出たけど、僕はその腕を掴んだ。

「いや、椿の手伝いはちょっと…」
「え〜、なんだよそれー」
「俺もお前は手伝わない方が上手くできると思う」
「なんだよお前まで。棗のくせに生意気だなー」

椿が棗の鼻を摘む。棗は鬱陶しそうにそれを振り払う。
懲りずに椿がまた同じことをやろうとして、棗がやめろと逃げて。
僕はその見慣れているはずの光景がやはり愛しくて愛しくて、二人に聞こえないように小さく鼻を啜った。

「…そうだよ、棗のくせに生意気だよ」
「お前もまたそれかよ」

苦笑いする棗の頬にそっと口づけを落とす。

「「え…」」

それに驚き目を丸くしてフリーズする二人を置いて、急いで居間からスマホを持って来るとそれを棗に差し出した。

「はい」
「…なんだよ?」
「内緒で作って驚かせたかったのに、肝心な時にヤカンが鳴ったから作れなかったんだよ」
「は? ヤカンが鳴ったのは俺のせいか!?」
「君のヤカンでしょ。だから、これは棗が作るのが正解だと思う」
「おーそうだそうだ!」

棗から離すように椿が後ろから僕を抱きしめ「俺にも〜。梓俺にもチュー!」と頬を前に突き出す。その頬を即座に棗につねられた。
椿が目を吊り上げながらその手をつねると、棗も舌打ちしながらもう片手で椿の頬をまたつねる。

僕は「ちょっと、二人とも…!」なんて口では言いながら、心の中でそっと呟いた。

どうかいつまでも――こうして三人でいられますように。
古代の星たちに、そう願わずにいられない。


<完>



一ヶ月と一日遅れのバレンタインネタでした。すみません;

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