手強い敵であろうとも、私は負けない!!



「あの…春ちゃん…」

『………』

「あの…」

『………』

「あの!!」

『うるさいなぁ。女の子が大きな声出して騒がないの!!』

「………」


私は、宮崎春を嵌める作戦に出た。しかしコイツは中々手強い。
何だろうか、この人のリズムに呑まれていくこの感覚。

宮崎春は自分の机に座って雑誌を読んでいる。
カバーがかかっているから、なんの雑誌かは分からないが、おそらく漫画かファッション雑誌。


「あ、その雑誌私も好きなんだ」

『え、そうなの?そんな可愛い顔してずいぶん悪趣味なんだね』

「え?」

『だってこの雑誌………







忍足に借りたエロ本だよ?



「…!!!!」


何て事だ!!何て失態だ!!!
ていうか、アンタだってエロ本読んでんじゃない!!十分悪趣味よ!!つか私以上に悪趣味よ!!


『いやいや、コレは忍足に押し付けられたものだから。あたしだって仕方なく読んでるんだから。』

「それの何処が仕方なく読んでんの!!めっちゃ楽しそうに読んでんだろ!!」

『うるさいね、君。誰?用件は?』



あ、そうだった!!!ツッコミに気を取られて大事な用件をすっかり忘れていた。



「一緒に来て欲しいの」

『却下』





なんて手強いのかしら。


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