俺の持ち場は校舎裏。つっても校舎裏に直接いるわけじゃなくて俺は教室からの見張り。唯一俺の学年の教室からは校舎裏が見えるから。
そこで幸村部長から出された指示は教室の窓から校舎裏を監視。不審な人物、もしくは
初音先輩本人が現れたら先輩達に連絡。
つーか初音先輩がいじめられる理由が俺にはわかんねぇんだよな。
俺たちは初音先輩が来てからうまいドリンクに、ふかふかのタオルに、部活の後初音先輩が作ってくれるおにぎりに大満足してんだから。
今まで雇ってきたマネージャーは媚ってくるし、仕事しねぇし、ドリンクとかマジ不味いし、タオルもごわごわ。あと、幸村部長が不機嫌になる。で、俺達がとばっちり食らう。いい事なしだった。
あ、顔はよかったな。俺のタイプじゃなかったけど。
「あれ…?」
授業そっちのけで窓の外を眺めていた俺の視界に誰かが入ってきた。
校舎裏に金髪の女と茶髪の女。それから真っ黒い髪の女。
まさかファンクラブ…!!っておい!!今授業中だぜ!!?
つか教室担当の丸井先輩はどうしたんだよ!!
(れ、連絡…!!!)
携帯を急いで開き、メールを作成し始めた所で携帯が手の中で震えた。
こんな時に誰だよ、空気読めよとか思いながらメールの受信ボックスを開くと、真田副部長からだった。
あぁ、副部長だもんな。そりゃ空気読めねえよな。
ため息をついてメールを開くと、タイトルの所に“下を見ろ”と打ってあって本文には何も書いてなかった。本文に書けよ。
言われたとおりもう一度校舎裏を見ると、やっぱり三人の女。
………あれ、女?
「じゃねぇぇぇえええ!!!!」
「うるさいぞ切原」
「すんません!!!」
あまりの驚きに授業中にもかかわらず俺は叫んだ。当然先生には怒られるし、クラスの奴らには笑われた。
つかそんな事はどうだっていい。そもそも俺が叫んだ理由は、ひとつ。
校舎裏を見ると、下にいた奴らがカツラをとった。そこにいたのは、真田副部長とジャッカル先輩、柳生先輩だった。
何やってんすか…
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