「あれ?なんで制服なんスか?」

『ジャージ家に忘れちゃったみたいなの』


朝学校に来るとジャージがなかった。多分この間の人たちだと思う。ロッカーの鍵にこじ開けられていたような跡があった。
普段ジャージを着ているから、制服で部活をしているのを不審に思ったのだろう。
赤也が朝私の所にパタパタと走って来てたずねて来た。

家に忘れてきたととっさに嘘をついてしまった事に後悔する。ごめんね、赤也と心の中で謝罪した。


『今日は早いんだね。いつもなら遅刻して、真田君のお説教タイムなのに。』

「俺今日早起きしたんすよ!!」

『うん偉い偉い。』


頭を撫でると嬉しそうに笑う赤也に、早く行かないと真田君に怒られるよ?と言うと、血相を変えてコートに向かっていった。



「あ、先輩!!何かあったら絶対俺たちにすぐ言ってくださいね!!!!」

『うん、ありがとう』



私は腕まくりをして部室に入った。






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