立海
「明後日から合宿だって」
「また急だな」
「跡部らしいのぅ」
「だよな」
夏休みに入る直前、今日の部活は珍しくミーティングだけ。
氷帝の跡部さんから届いた合宿のプリント。
常に跡部さんはギリギリになって重要な事を言う。このプリントに関しても。
合宿かぁ。一日中テニス出来んな。
楽しみに思う反面、俺には脳内につっかかる事がある。
甲高い耳障りな声が頭に響く。
「あの…」
「どうしたの赤也」
「いや、何でもないっす…」
「………」
俺は下を向いてプリントを見る振りをした。
柳生先輩が、俺が何を考えていたのか見透かしたうえで俺を見ていたなんて知らずに。
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