永遠


「好きだよ名前」

『え、急にどうしたの?』

「言いたくなったんだ」


『ふふ、そっか
私もフィディオのこと大好きだよ』

「知ってるよ」


今は飛行機の中
俺の隣には名前がいる

FFIのためにライオコット島へと向かうこの飛行機から見える風景はとてもきれいなものだった

名前は俺達がまだイタリアでも弱小のチームだった頃からずっとサポートしてくれている

やっとイタリア代表の座を勝ち取り、名前を正式なマネージャーとして呼び寄せ、俺は告白して名前と付き合うようになった。


彼女本当は日本人なんだけど
お父さんがイタリアに転勤することになったから、家族みんなでイタリアに引っ越してきたそうだ。

小さい頃公園でサッカーしてた俺はボールをどこかに飛ばしてしまい探していたところで名前に会った

ボールを受け取ってありがとうと言ったんだけど彼女は首をかしげている。


あぁ、この子はイタリアの言葉がわからないんだ

どうしようか……
まぁいいや!!サッカーに誘っちゃえっ!!


そう思って彼女の手を引く。
ものすごいびっくりしてた

あたりまえか、知らない奴(しかも言葉が通じない)にいきなり腕引っ張られたんだから

俺も俺だ。
なんでサッカーに誘おうとか思ったんだろ
ま、そうしてなければ俺と名前はこうして隣にはいなかっただろうからいいんだけど



公園に連れて行くと、その辺に落ちている枝を拾って地面に英語で“サッカーは好きか”と書いた。
あと“ありがとう”も書いた
つづりあってるかな?俺英語得意じゃないんだよな


彼女は読むと大きくうなずいた
よかった伝わった!!

英語はわかるみたいだ


続けて俺はこう書いた




“Let's play together!!”


それを読んだ彼女は笑ってうなずいた




言葉は全然通じてなかったけど楽しかった。
ボールを蹴りあっていたら誰かが来た

名前のお父さんだった
彼はイタリア語がちゃんと話せるみたいで彼女が“名前"という名前だということも、引っ越してきたばかりだってことも話してくれた。
そして日本人だということも






しばらくたって会った名前はイタリア語を大体話せるようになっていた。
初めてちゃんと彼女と会話できて嬉しかった。

俺がサッカークラブに所属してることを言うと、手伝いたいと言ってくれたので名前を連れて行った。
名前は人懐こい性格なのかすぐにみんなと打ち解けあい
練習のある日は大抵来てくれた

そんな名前を好きになるのに時間はかからなかった。


だから、FFIが始まったときチャンスだと思った

イタリア代表に選ばれたら名前に好きだと言おう。
それで、オルフェウスのマネージャーをやってもらおう。


この決心がなかったら名前とは付き合えなかったと思う

名前からOKの返事もらったときは本当に嬉しかった。
多分試合で勝ったときより嬉しかった


懐かしいな……



『なに、ニヤニヤしてるの?』

「名前との出会いを思い出してたんだよ」

『あの時はびっくりしたよ。
いきなり知らない人が腕引っ張っていくんだもん』

「ごめんごめん
でも、あれがなかったら多分今俺達付き合ってなかったよ」

『そうだね…』

「名前、ずっと一緒にいてくれるよね」

『当たり前でしょ』


「うん、愛してる」

『私も』


名前にキスするとほんのり顔が赤い
まだ慣れないんだなぁ、キス

ホントに好き、大好き
これからも永遠に変わらない
俺の隣にいるのは絶対に名前だ。




END




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麗様から頂いたリクエストです


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