君が好きな俺も俺

「気に食わねぇ」

「どうしたんですか、綱海さん。顔酷いですよ。あ、いつもか。」

「うるせー立向居!!どーせ俺はお前みてーにイケメンじゃねえよ!!」

「ありがとうございます」

「うるせー!!!」


こんな事、海の広さに比べたらちっぽけな話。
これが俺の口癖であり、ポリシーのはずだった。だがしかしこの理論はどうやら色恋には通用しないらしい。

そして中学生の頃あんなに人懐っこく、そして熱心な後輩であって立向居。
それが成長し高校生になってからというもの、生意気を通り越して俺の心を抉って来るようになった。



「ちくしょー不動のヤロー何だよちょっと髪がフサフサになった位でモテやがってこのヤロー」


俺の視界にはいるのは、チームメイトである不動と仲良く話す大好きな幼馴染名前。
小さい頃は俺の後ろだけをピッタリくっついて歩いていたのに。いつのまに俺から自立してしまったのだろう。
しかもあの不良。あの不良にくっつくとはどういう事だ。飛鷹ならともかく何故不動!!何故モヒカン!!

いや、飛鷹も俺の中じゃ結構アウトだけど。(あと染岡)

不動は高校生になってモヒカンをやめた。普通の男子高校生のように髪を伸ばし始めた。すると不動を敬遠していた女子達が不動を取り囲み始めるという異例の事態が。

そしてその女子達の中に含まれるのが名前だ。


「もう我慢出来ねぇ!!おいコラ名前!!そいつから離れてお兄ちゃんの所に来なさい!!」

『…条介は私のお兄ちゃんじゃないよ?』

「んなこと知っとるわ!!」


そんな天然な所も可愛いけどな!!
てか何我が物顔で俺の名前の隣にいんだよ。さっさと離れろ。ニワトリが移る。


「お前今失礼な事考えただろ綱海」

「お前の悪口なんか四六時中考えてるわ!!名前から離れろニワトリ!!」

「ニワトリッ…!!!てめーこのピンク頭。髪の毛だけじゃなくて脳内も真っピンクなようだな死ね」

「死ねって言ったほうが死ねよ」

「お前も死ねって言ってんじゃねぇか!!」


不動が以前はトサカだった部分を逆立てて怒った(ぶっちゃけ超傑作)
視界の隅に呆れた顔をしてこっちを見る豪炎寺と鬼道。そして楽しそうに笑っている円堂を確認。


『二人とも仲良いね』

「どこがだよ。眼科行け」

「おま、不動!!名前に何てこと言ってんだ!!」

『うん、今度行くね』

「名前ーーーーー!!!」

「名前は素直だな」

『ありがとう。条介がね素直な子になれよって昔から言うの。だからなの』

「そうかそうか。お前は良い嫁になるぞ」

「てめーにはやらねえよ!!」

「黙れ脳内ピンク野郎」

「なんだとこのトサカ!!」

『仲良しだね』

「仲良くねぇ!!」


俺の絶叫はおそらくこの天然娘には聞こえていないだろう。














君が好きな俺も俺だ













《何でお前名前と仲良いんだよ!!》
《名前が俺の事好きだからに決まってんだろ》
《ふざけんなー!!!》
《俺の事好きだよな、名前》
《うん好きー》
《うわあああぁあぁぁあぁああ!!!!!》
《でも条介はもっと好きー》
《うおぉおおおぉおおおおぉお!!!!!》


****
リクエスト下さったまい様ありがとうございました!!

[ 27/27 ]

[] [→]