反則


「立向居」

「………」

「おい、立向居!!」

「……何だよ」

「貧乏揺すりやめてくれ」

俺は今猛烈にイライラしている。
そのせいか授業中貧乏揺すりが止まらず、隣の席のやつから苦情が来た。


だって、しょうがないだろ。
今名前先輩と喧嘩しちゃって会話してないんだから。
まぁ、喧嘩って言ってもそんなにたいしたことじゃないんだけど…


授業はそんな感じで過ぎていった。
名前先輩と仲直りしたい…




「名前先輩……会いたいです…」





























勇気と喧嘩した。
理由はたいしたことじゃない。

勇気と付き合ってから、喧嘩したことってあんまりなかった。
そのせいで、今日はまだ勇気と会話していない。

仲直りしたいな…


そんなこと思いながら、今日は一日を過ごした。



放課後になって、勇気のクラスに行くと、もう帰ってしまったらしい。
怒ってるのかな…

仕方ないよね、私が一方的に避けちゃったわけだし…


そう思って、下駄箱で靴を履き替えた。



「名前先輩!!!」


校門を出ようとしたところで誰かに名前を呼ばれた。


『勇気…?』

「今から行くので待っててください!!」


どこかの教室の窓から顔を出してそう叫んだ勇気。
あの教室…ウチのクラス…?

何でそんなところに…




「先輩!!!」

『勇気……って、わ!!!』


いきなり勇気に抱きつかれた。
ここ校門前!!!


「先輩ごめんなさい
俺、先輩と仲直りしたいんです」

『怒ってないの?』

「先輩こそ」

『あたしも、もう怒ってないよ…』

「よかった…」

『それより離れよ?皆見てるし…』

「嫌です。

今日一日…先輩の事考えて…
抱きしめたいって思って…
先輩好きです。大好きです」



『ちょ、勇気……』

「先輩俺の事嫌いなんですか?」

『そうじゃなくて…』

「じゃあいいじゃないですか」


よくない!!
全然よくないよ勇気君!!

こんな公衆の面前で…っ


『ホント、離して?』

「好きって言ってくれないと離しません!!!」



あぁもぅ!!!



『勇気、好き…』



そう耳元で言うと、勢いよく勇気が離れた。
ちょ、何で耳押さえてんの…


「せ、先輩…っ////」

『え、何っ…ちょ、うわぁ!!!』


いきなり勇気は私をお姫様抱っこし、走り出した。


『ちょっと何処行くの!!!?』

「俺の家です!!」

『何で!!』

「先輩のせいですよ!!!」




私何した!!?

きっと明日、皆に冷やかされるんだろうな…とかそんなことを考えながら、私は勇気の学ランをきゅっと握った。








《何で暴走してんの勇気!!》
《耳元であんなこと言われて欲情しないわけないじゃないですか!!》
《欲情!!!?》





*END*



*************

來様リクエストの立向居でした!!
遅くなって申し訳ありませんっ(汗)

裏話…
立向居と主人公はそれぞれお互いのクラスに行って、仲直りしようとしてたんですが、入れ違いに。
たまたま校門を出ようとした主人公を立向居が主人公のクラスから見つけて窓から叫んだ。という設定です。



リクエスト下さった來様、ありがとうございました!!

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