会いたいって思うときこそ


私があの人に会いたいって思ったとき
あの人も会いたいって思ってくれてたらいいな


離れたって、この気持ちがあれば大丈夫

そう思って
私はあなたのいない日々を過ごしています。


今まで異性に好きだなんて言われたことなかった。

緊張したし、何より嬉しかった。


そんな彼、鬼道君に告白されて付き合い始めたのが一週間前。

そして、彼がこの稲妻町を旅だったのが3日前。

彼はエイリア学園に勝つため、最強のチームを作りにいってしまった。


この雷門中を離れる時、鬼道君は私を抱き締めてこう言った。




「絶対にまた帰ってくる
だからそれまで待っていてくれ」




断る理由なんてないから私は頷いた。

きっとすぐに会えるって信じて

































今日は久しぶりに稲妻町へと帰ってこれる日だ


父さん達にも会いたいが、俺にはそれ以上に会いたいやつがいる。

旅立つことが決まって、彼女と離ればなれになってしまう前にと気持ちを伝えたやつだ。

雷門にきて、苗字に会って、恋をして

やっと付き合う事が出来たのに会えないのはやはり寂しいな…

今思えばあの時言った言葉も無責任だった
待っていてくれ、なんて…

もし彼女が愛想をつかしていたら?
本当は違うやつが好きだったりしたら?
俺を嫌いになったら?

そんな考えが脳内を駆け巡る度に消す作業をしている間に稲妻町に到着した




あの鉄塔のある場所に俺は向かった。
そこに彼女を呼び出そうと思った。

ここは、俺が彼女に告白した場所だから

携帯を取り出し電話帳“苗字名前”に電話をする。


しばらくして電話口に出た彼女の声。




≪もしもし鬼道君?≫

「あぁ、急に電話して悪かったな」

≪ううん、全然大丈夫。どうしたの?≫

「少しの間だが稲妻町に帰ってきたんだ。
今、鉄塔広場に居る
来て、くれないか?」

≪わかった
……じゃあ鬼道君、回れ右≫

「は?」



電話口で言われたように素直に後ろを向くと、なんとそこにはずっと会いたかった苗字がいた。

「どうして、ここに」

『わからないけど、鬼道君に会いたいなって思ってたらここに来てたの
お帰りなさい鬼道君』

「……あぁ
ただいま苗字」



そのままベンチに座り、二人で夕日を眺めた


『テレビで見てたよ』

「あぁ」

『それに、ずっと会いたかったよ』

「俺もだ」


会えないからこそ、俺はお前の事を強く思っていた。


「苗字、名前でよんでもいいか?」

『うん』

「名前……」

『私も名前で呼んでいい?』

「あぁ」

『有人君』




お互い顔を見合わせて吹き出す。
夏に時折吹く風が俺たちの火照った頬を撫でる。

またしばらく会えなくなるが、絶対にまたここで会おうと約束し、俺たちは家路についた。








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萌様リクエストの鬼道でした!!
遅くなってしまって申し訳ないです(汗)

では、リクエスト下さった萌様
ありがとうございました!!!

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