「寒い日には、たこ焼きを食べるんが大阪やねんで」


同じクラスの白石君は、私にそう言った。
彼は東京から転校してきたばかりの私に優しくしてくれる。
そして大阪についていろいろ話してくれる。

とってもいい人だけど、エクスタシーって叫ぶのはどうかと思う。

さて、話を戻そう。
今日はこの時期にしては異常に寒い日だった。マフラーして、ホッカイロ持っても結構寒い。

隣の席の白石君は、寒い寒い言う私を見てきっとたこ焼きの話をしたんだと思う。
というか何故たこ焼き?
寒い日と言ったら肉まんじゃね?とか言ったらどうなるんだろう。


『そうなんだ。』


とりあえず当たり障りのない返事。
なのに白石君は、なんだか微妙な表情。


「名前ちゃんは、鈍感なんかなぁ」

『何?』

「何でも。それより、たこ焼き食べに行かへん?」

『寒いから?』

「寒いから」


寒いんだったら家に帰ってココアでも飲みたいなぁなんて考えていたのが分かったのか、白石君は、奢ったるで、と男前な発言をしたので、行く事にしました。


決してタダたこ焼きにつられたわけじゃないよ!!








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