「ねぇ名前これなんてどうだい?」

『お、いいねぇ!!不二君センス良いなぁ』

「………」


気に食わない。
何がというと、俺の目の前で恋仲である名前は不二と話しているからだ。

仲良さそうに。


『国光はどう思う?』

「………良いんじゃないか?」

『国光…?何処行くの?』

「大石に呼ばれているんだ」

『国光!!』



俺は教室から出た。
何でか無性に腹が立つ。


今、この学校は文化祭の時期。
明日から始まる文化祭にむけて、全生徒がクラスの出し物の準備をしている。

それは俺達も例外ではなく、現に不二と名前は文化祭の出し物(俺のクラスは仮装喫茶)の飾り作りをしていた。


俺と不二は部活が同じで元から仲が良い。
そして名前は俺の彼女。

必然的に仲が良くなる不二と名前。
あぁ、この組み合わせが気に入らないのか俺は。


「あれ、手塚じゃないか。何してるんだいこんな所で。」

「大石か。いや、別に何をしているわけでは…」

「自分のクラスのはいいのかい?今年は不二のクラスと合同なんだろ?英二をよろしくな」

「大石くーん、ちょっとこっち手伝ってー!!」

「あ、わかった今行く!!じゃあな手塚!!」

「あ、あぁ…」


大石はクラスの女子に呼ばれていってしまった。俺も教室に戻るか…





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