守るべきもの
「西園寺さんは伝令係なんだよ」
『聞いてねー知らねー』
今回、私の知らないこと多くない?宣戦布告もだし、伝令係って何!!?
役割分担してんのかよ!!
「西園寺に感謝しろよ如月。あいつが連絡くれなかったらお前ボコボコにされてたんだぞ。
中谷先輩、俺達が外周に行かされてるこのタイミング狙ってきやがった。」
『外周か。だから途中で除き隊がいなくなったんだね。
西園寺さんありがとう。』
「こちらこそお役に立てて光栄ですわ」
頼もしい味方だ。
「おい、日吉…時期部長候補のお前が、無関係者をコートにいれていいと思ってんのか?」
「現部長のあなたが真実に気づけなくていいと思ってるんですか?」
「なんだと…!!」
「冷静に周りを見ればすぐに分かりますよ。
今、あなたの見えないところでいろんなことが起きている。
あなたのすぐ傍でも、もうすでに変化が起こり始めている。
それに気づかないなんて…
堕ちたな、跡部」
「貴様っ……!!!!!」
『日吉っ!!!』
日吉の言葉に激怒した跡部先輩が殴りかかる。しかし、日吉は簡単にその拳を止めてしまった。
「今までだったら、こんな簡単にあなたの拳は受け止められなかったでしょう。
でも、今のあなたなら俺はいくらでも勝てる自信がある。
何故だかわかりますか?」
「………」
「あなたは自分に嘘をついている。本当に守りたいものを抑えて、何かを変わりにしようとしている。それがあなたの強さが減った原因です。
あなたの本当に守りたいものは何ですか?
あなたが今、必死になって守っているものは、あなたの本当に守りたいものですか?」
「………っ!!」
「俺は、如月を守りたい。だからあなたよりも強くなる。」
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