パートナーが気持ち悪い

俺は興奮していた。


テニスしてる時くらい興奮していた。
転校生なんて嬉しい出来事だ。女でも男でも。

隣の列にいる侑士は、興味なさそうに欠伸をしている。



生活指導の先生が壇上に上がる。朝礼が始まる合図のようなものだ。

転校生の紹介はすぐに始まった。
先生の掛け声で出てきたのは女四人。よっしゃっ。


遠くて顔は見えないけど、可愛いのかな。




相変わらず侑士は、興味なさそうにしていた。





************


〜忍足side〜


転校生なんて興味なかった。

岳人はあからさまにわくわくしているし、跡部も少なからず興味があるらしい。

しかも壇上に上って紹介されたのは女子が四人。がっかりや。

ここからじゃ顔は見えんやろうし、もうええわ。


そんな事を考えながら、俺は下を向いて目を閉じる。


壇上の四人がそれぞれ自己紹介をした。


「四那賀春樹です。長女です。よろしくお願いします」


長女…?この四人はやっぱり姉妹なんか。


「次女の夏美です。姉の春樹は恥ずかしがり屋なのでスカート長いんですが、本当はこんな美脚を隠し持っています」

「お、おい夏美っ!!!」


俺は美脚という言葉に反応して反射的に顔を上げた。
その瞬間、次女が長女のスカートを捲る。男子の歓声が上がった。




「アカン…岳人。」

「ん?何だ、侑士」

「あの子の足、俺好みや。超綺麗」

「………あっそ(侑士キモッ)」


*prevnext#