失われ始めていた

『………あとべ…?』

「どないしたんや?」


『いや、今誰かに呼ばれた気がして…』

「気のせいちゃうか?」

『そうかな…』


気のせいかな…。



スーパーでおかゆの具を選んでいた私と忍足。
ジロー達はゼリーやプリンを選びに行き、宍戸とチョタは薬局へ。
日吉達は冷えぴたを買いに行った。



「跡部元気かなぁ…」

「だれとるんもそれはそれで珍しいけどなぁ」

『写真撮っとく?』

「カメラ持ってへんで」

『あー、残念』



跡部の弱った写真を親衛隊の人たちにあげたら絶叫しそうだよね。


「名前ー!!」

『あ、岳人、ジロー。選んだ?』

「おう!!」

『うわ、こんなにたくさん……!!』

「俺達の分もあるんだぜ!!」

「名前のはコレー!!」

『はいはい……』

「名前先輩……って、何ですかその荷物!!」

『岳人とジローがさぁ…』

「下克上ですね」

『ちがうね』


薬局での買い物を終えたチョタと日吉がスーパーへ来た。
チョタが私の荷物量を見て目を丸くする(忍足も同じ位の量を持ってるけどそれは無視みたい)

何で日吉はそうすぐ下克上しようとするかなぁ。
まぁ、精神年齢では日吉のほうが下克上してるけどね。


「持ちますよ。一個貸してください」

『えっ、いいよ!!』

「うわ、重っ!!こんなのずっと持ってたんですか!!?」

「侑士手伝えよー!!」

「そーだそーだ!!」

「自分らのせいやろ。てか俺かて持っとるわ」

『宍戸は?』

「宍戸さんなら栄養ドリンク買いに行きました」

『薬局に売ってなかったの?』

「はい、売り切れでした。」


結局私の手荷物は全てチョタ達にとられてしまった。
皆軽々持つなぁ…


「名前ー!!」

『あ、宍戸!!お帰り、買えた?』

「あぁ、悪いな遅くなっちまって」

『いや、全然』

「あれ、樺地は?」

「樺地なら先に跡部さんちに行きました。」

「そっか、じゃあ行こうぜ!!」





そして私達は跡部の家に向かった。


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