『これから生徒総会を始めます。
司会は生徒会長の名字名前が勤めさせていただきます。
よろしくお願いします
では部活動の報告から…順番でサッカー部から報告してください』
私はこの学校の生徒会長を務めている。
仕事は多いがやりがいのある仕事だ。
今日は生徒会長となって大きな仕事の一つ、生徒総会。
部活動、委員会、学級委員等が集まって近況を報告する会だ。
「はい、サッカー部キャプテンの鬼道有人です。
今期はフットボールフロンティアに向けての戦力向上を目的とした練習を行ってきました。」
『何か変わったことは?』
「マネージャーを募集しています、以上です」
『ありがとうございました。今年度の部活紹介誌の方にその事を付け加えておきますね。
「ありがとうございます」
『じゃあ次は、美術部の方』
「はい、え〜美術部は…………」
全部活、全クラス、全委員会からの報告を受けていく。
書記の一年が頑張って記録を取っている。
『終わった…』
「お疲れ様です、名字会長。紅茶淹れたんでどうぞ」
『ありがとう、山下』
「い、いえ…///」
『あと、この書類作るだけだから。山下はもう帰ってもいいよ。』
「いや、会長が残るんなら俺も……何かやることありませんか?」
『そっか、助かる。じゃあこのプリントにはんこ押してってくれない?』
山下は中学1年生唯一の生徒会役員だ。
彼の役職は書記。
他の役員はもう帰ったというのにこうして残ってくれている。
ちゃんと仕事もこなす良い後輩だ。
さて、今日の生徒総会で書類に書かなきゃいけないのは…
変更事項があったサッカー部か…
マネージャー募集中…と、
これだけ書けば、もう終わりだ。
『……よし、終わった』
「会長。こっちも終わりました」
『ジャストタイミング。じゃあ先生に出しに行こっか』
「はいっ!!」
元気良く返事をした彼は、やはり一ヶ月前までは中学生だったんだな、と感じさせた。
.
3/35