記憶の手がかり


鬼道君と雷門で出会った日から、彼は私がよく行っていた場所や、好きなものがある場所に連れて行ってくれた。


記憶が戻る方法のうちの1つ、『印象に残っている場所を見せる』を試している最中なんだけど、やっぱり覚えていない。      

1週間探し続けたけど該当するものが無かった。


『鬼道君…ごめんね』

鬼「なぜお前が謝る?」

『だって、部活の後にずっとこんなこと…』

鬼「俺にとってお前の記憶が戻ることはサッカーより大事なことだ。
それに、お前といられるから何時間だって探せる」

『////ありがとう…』

クサいセリフも格好よく言ってしまう彼が私の彼氏って…
本当なのかな…?


あのゴーグルの下はどんな目なんだろう…
前にチラッと見た時は、赤い目だった気がする…
見たいなぁ…

『………』

鬼「…?なんだ?何か思い出したのか?」

『…!!あっ…ごめんなさい!!なにも…あはは?』



私はいつの間にか彼の顔を凝視していたらしく、不思議に思った鬼道君の顔と目が合った。


(恥ずかしいなぁ…)

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