兄想いの妹


雷門中に転校してから約一ヶ月たった。
クラスのこともある程度仲良くなり、サッカー部の仕事もだんだん頭に入ってきた。


放課後いつものように秋ちゃんと一緒に部活に行くと、いつもいるはずの音無さんの姿が見えない。


秋ちゃんとどうしたんだろうって話していたら
パソコンを片手に走ってくる音無さんがみえた。



秋「どうしたの音無さん?」


春「お兄ちゃんが…」



音無さんお兄ちゃんいるんだ…


円「鬼道、勝ったのか?
やっぱりすげーなぁ鬼道は!!」


感動している円堂君とは正反対に悲しそうな顔をしている音無さんが違うんです、と呟いた




春「違うんです…お兄ちゃんが“世宇子中”ってところに負けて…
皆大怪我で病院に運ばれたって…」



円「何だって!?じゃぁ鬼道も…?」


春「いえ、お兄ちゃんは足の怪我のためにベンチで観戦していたから大丈夫だっていっていました…」



そう言って音無さんはうつむいたまま黙ってしまった。

私たちは音無さんをベンチに座らせた。
その日一日音無さん悲しそうな顔をしててあたしも秋ちゃんも夏未も見てられなかった。


練習の後円堂君は音無さんのお兄ちゃんに会いに行くんだって言ってた


他校の人…フットボールフロンティアに出てるって事は敵なはずなのに…

円堂君はいい人だ。

明日何話したのか聞こう。

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